2009年1月9日金曜日

不服2007-35355

【管理番号】第1187519号
【総通号数】第108号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-35355(T2007-35355/J1)
【審判請求日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【確定日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【審決分類】
T18  .262-Z  (Y36)
T18  .263-Z  (Y36)
【請求人】
【氏名又は名称】株式会社キューブ
【住所又は居所】東京都台東区上野三丁目18番4号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】峯 唯夫
【事件の表示】
 商願2007-88985拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 本件審判の請求は、成り立たない。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第36類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務とし、平成18年12月28日に登録出願された商願2006-120712に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同19年8月15日に登録出願されたものである。
 そして、願書記載の指定役務については、原審における平成19年10月24日付け手続補正書により、第36類「生命保険契約の締結の媒介,損害保険契約の締結の代理,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,建物及び土地の有効活用に関する企画・指導及び助言」と補正されたものである。
 
2 引用商標
 原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3224023号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定による使用に基づく特例の適用を主張して平成4年9月30日に登録出願され、第36類「建物の貸借の代理または媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介」を指定役務とし、同8年11月29日に特例商標として設定登録され、現に有効に存続しているものである。
 
3 当審の判断
 本願商標は、別掲(1)のとおり、「CUBE」の欧文字と青色で線書きされた縦長直方体図形(中間部分が「CUBE」の文字の記載により欠落している。)により構成されてなるところ、文字部分と図形部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、両者が常に一体不可分のものとしてみなければならない特段の理由も見当たらないものであるから、それぞれの部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
 そして、中央に黒字で太く顕著に書された「CUBE」の欧文字部分は、「立方体」の意味を有する英語であると容易に理解されることから、本願商標は、該文字に相応して、「キューブ」の称呼及び「立方体」の観念を生ずるものと認められる。
 これに対し、引用商標は、別掲(2)のとおり、図案化された文字とその下段に小さく表した「キューブ」の片仮名文字とからなるところ、上段に顕著に表された文字は、全体をやや図案化してなるとしても、近時、需要者の注意を惹くための視覚的効果を持たせる方法として、各種のレタリング文字が広告等に広く使用されている実情よりすれば、下段の片仮名文字が上段の文字を片仮名表記したものと理解されることと相まって、片仮名文字「キューブ」に相応する「CUBe」の欧文字をほぼ同じ大きさでやや図案化して表したものと容易に理解し得るものである。
 そうすると、引用商標は、本願商標と同様に、「CUBe」及び「キューブ」の文字に相応して、「キューブ」の称呼及び「立方体」の観念を生ずるものと認められる。
 してみれば、本願商標と引用商標は、外観上相違する点があるとしても、それぞれより生ずる「キューブ」の称呼及び「立方体」の観念を共通にする類似の商標と認められ、かつ、その指定役務も同一又は類似するものである。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
 なお、請求人は、当庁における過去の審決例を挙げて本願商標と引用商標とは非類似である旨主張しているが、それらの事例は本件とは事案を異にするものであって、本件の判断に影響を及ぼすものでなく、上記認定判断に照らし、その主張は採用できない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【結審通知日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【審決日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【審判長】 【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】酒井 福造

<別掲>
(1)本願商標(色彩については原本参照)



 
(2)引用商標



 

(210)【出願番号】商願2007-88985(T2007-88985)
(220)【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
(561)【商標の称呼】キューブ
【最終処分】不成立
【前審関与審査官】田中 亨子


0 件のコメント: