2009年1月5日月曜日

不服2007-32413

【管理番号】第1186092号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-32413(T2007-32413/J1)
【審判請求日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【確定日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審決分類】
T18  .26 -Z  (X30)
【請求人】
【氏名又は名称】身延登山鉄道株式会社
【住所又は居所】山梨県南巨摩郡身延町身延字上の山4226-2
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
【事件の表示】
 商願2007-658拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 本件審判の請求は、成り立たない。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「身延山特撰ダイヤモンド富士」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子及びパン,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成19年1月9日に登録出願されたものである。
 
2 引用商標
 原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4539781号商標(以下「引用商標」という。)は、「ダイヤモンド富士」の文字を標準文字で表してなり、平成13年1月9日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として、同14年2月1日に設定登録されたものである。
 
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
 本願商標は、前記1のとおり、「身延山特撰ダイヤモンド富士」の文字からなるところ、その構成中の「身延山」の語は、「山梨県南巨摩郡身延町と早川町の境の山。」を指し、日蓮宗総本山身延山久遠寺があることで知られているものであり、また、「特撰」の語は「特に入念に作られたもの。」等を意味し、商品の品質を表示するものとして普通に用いられているといえるものであって、その指定商品との関係においては、識別力がないものといえるから、本願商標に接する需要者は、「日の出、日の入りの時刻に、太陽が富士山頂と重なってダイヤモンドの輝きのように見える現象」を指称する「ダイヤモンド富士」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないといわざるを得ない。
 そうすると、本願商標は、該構成文字全体に相応して「ミノブサントクセンダイヤモンドフジ」の一連の称呼を生ずるほか、「ダイヤモンド富士」の文字部分に相応して「ダイヤモンドフジ」の称呼をも生じ、また、「ダイヤモンド富士」の観念をも生ずるものといわなければならない。
 他方、引用商標は、前記2のとおり、「ダイヤモンド富士」の文字からなるものであり、該構成文字から自然に「ダイヤモンドフジ」の称呼が生じ、また、「ダイヤモンド富士」の観念が生ずるものである。
 してみれば、本願商標と引用商標とは、「ダイヤモンドフジ」の称呼を共通にし、「ダイヤモンド富士」の観念を共通にするものである。
 なお、外観をみると、「身延山特撰ダイヤモンド富士」からなる本願商標と「身延山特撰」の文字を含まない引用商標とは、全体として外観構成が相違するものである。
 しかして、前記の外観上の相違を有するとしても、本願商標と引用商標とは、「ダイヤモンドフジ」の称呼及び「ダイヤモンド富士」の観念を共通にする商標であって、時と処を異にする取引の実際にあっては、これらを同一又は類似の商品に使用すれば、平均的な需要者の注意力を基準としてみた場合、その共通性から受ける印象・記憶・連想等により、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ないから、本願商標は、引用商標に類似の商標と判断されるものである。
 また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であることが明らかである。
 したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
 請求人は、甲第1ないし第13号証を提出し、身延山から見たダイヤモンド富士の眺望を意味する「身延山特撰ダイヤモンド富士」の商標は、全体として一つの観念を生じさせ、「身延山特撰」と「ダイヤモンド富士」とで別々に分離した観念を生じさせることはない旨主張する。
 しかし、本願商標は、該構成文字全体から生ずる称呼が冗長であり、しかも、前記のとおり、該構成文字中の「身延山」及び「特撰」の各文字が識別力がないものといえるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
(3)結語
 以上のとおり、引用商標をもって本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当であるから、原査定を取消すことはできない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【結審通知日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【審決日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【審判長】 【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】小林 由美子
【特許庁審判官】久我 敬史

(210)【出願番号】商願2007-658(T2007-658)
(220)【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】ミノブサントクセンダイヤモンドフジ、トクセンダイヤモンドフジ、ダイヤモンドフジ
【最終処分】不成立
【前審関与審査官】藤田 和美



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