2009年1月5日月曜日

取消2007-300847

【管理番号】第1186131号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2007-300847(T2007-300847/J2)
【審判請求日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【確定日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【審決分類】
T132 .1  -Y  (Z06)
【請求人】
【氏名又は名称】関口 忠志
【住所又は居所】千葉県市川市鬼高3―12―18―108
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三嶋 景治
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】滝口 昌司
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁
【被請求人】
【氏名又は名称】SUS株式会社
【住所又は居所】静岡県静岡市清水区尾羽105番地の1
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4272117号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 本件審判の請求は、成り立たない。
 審判費用は、請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 登録第4272117号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成9年5月26日に登録出願され、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金庫,金属製金具,金属製建造物組立てセット」及び第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年5月14日に商標権の設定登録がされたものである。
   
2 請求人の主張
 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標のその指定商品中第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べて、証拠方法として甲第1号証(枝番号を含む。)を提出した。
 本件商標は、請求に係る商品について、過去3年以上に亘り日本国内において、商標権者又は使用権者のいずれもが、その指定商品について使用されたとする事実はなく、また、その不使用について正当事由がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
  
3 被請求人の答弁
 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし7号証を提出した。
(1)答弁の理由
 本件商標は、その取消に係る商品「建築用又は構築用の金属製専用材料」について、少なくとも平成12年(2000年)8月から、本件審判請求日(平成19年7月6日)を経て現在に至るまで、商標権者によって継続して使用されているものである。
 本件商標は、平成11年5月14日に登録され、その翌年の同12年からその指定商品について使用している。
 商標権者の納品書(乙第1号証)を見ると、商標権者の名称「SUS株式会社」の左横に本件商標が付されている。納品書の出荷日は早いもので「00/08/24」であり、西暦2000年8月24日を示すものであり、「権田機工」宛に、アイテムNo「SFF-404」の商品が出荷されていることがわかる。この商品を商標権者の2005年2月発行の商品カタログ(乙第2号証)で確認すると、362頁の最上段の製品における「アイテムNo.」欄に、「SFF-404」と記載されており、この製品は建築又は構築用のアルミ製フレーム(すなわち金属製専用材料)であることから、本件商標は遅くとも平成12年8月24日には、「建築用又は構築用のアルミフレーム(すなわち金属製専用材料)」に使用されていたことが明らかである。
 更に、乙第1号証には、「tsubomi」製品を出荷している納品書も含まれている。「tsubomi」製品とは、乙第3号証の商品カタログ(2007年2月発行)に示すように、商標権者が提供しているアルミ製フレームで構成されるパネルユニット(tsubomiパネル)を組み合わせて住宅等を構築するシステムである。
 また、商標権者が発行している広報誌「Sing」(2005年8月号:乙第4号証)の裏表の表紙には本件商標が使用されているだけでなく、25頁及び26頁には「第9回機械要素技術展 出展」の記事及び写真が掲載されており、写真を見ると商標権者のブースに本件商標がきわめて目立つ態様で表示されている状況が確認でき、さらに、当社従業者の名刺(乙第5号証)、会社用封筒(乙第6号証)等にも本件商標を表示している。
 上述したように、本件商標は、その指定商品中「建築用又は構築用の金属製専用材料」について使用されていることは明らかである。
 なお、商標権者は本件商標の登録後に、その名称の変更(エスユウエス株式会社からSUS株式会社)と住所の変更(行政区画変更による変更)を夫々行っており、何れも変更の手続を済ませたものであるが、念のため、登記簿謄本(乙第7号証)を添付する。
 
4 当審の判断
乙第1号証及び乙第2号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、2000年(平成12年)8月24日付ないし2007年(平成19年)5月2日付の「納品書(控)」又は「納品書」の写しであり、右上に本件商標とその右側に「SUS株式会社」の商号を表示し、その下部には、本社の住所、電話番号等が表示され、さらに顧客名、出荷日、アイテムNo.、品名、数量、単価、金額等の各事項が記載されている。
 また、乙第2号証は、表紙の中央に「ecoms」と表示された商品カタログであり、裏表紙には、中央部に本件商標(ただし、欧文字「S」をデザイン化した図形部分は赤色で表されている。)が表示され、その右側に「SUS株式会社」の英語表記と認められる「SUS Corp.」の文字が配され、右下部には、0502-20,000(I)の表示が確認できる。また、4頁のINDEXには、「■建築部材 建築向けecomsオリジナルアルミ部材から各種ユニットパーツまで 構造材 P54~P81 ラチスパネル P82~P112」等の表示がある。
 以上から、該カタログは、2005年2月発行の商標権者にかかる「建築用アルミ製品のカタログ」と認められるものである。
 そして、商標権者は、該カタログに掲載された商品を、実際に取引した事実が、以下のとおり認められる。
(ア)乙第1号証の第71枚目の大阪市在のイトーキマーケットスペース株式会社宛の「納品書」によれば、出荷日欄に「'05/04/04」及び品名欄に「KEF-WP14」ほかの記載が認められる。そして、乙第2号証カタログの75頁には、「建築部材」「波板材」を見出しとする項目において、アイテムNo.又は名称の欄に「KEF-WP14」、素材/技術データの欄に「材質 シルバーアルマイトAA10」ほか、価格、波板材の写真、施工例等が掲載されている。
 してみると、当該納品書に掲載の商品は、乙第2号証カタログの75頁に掲載されたアイテムNo.「KEF-WP14」の「建築部材」「波板材」といい得るものである。
(イ)同様に、乙第1号証の第77枚目の西宮市在のミサワホーム近畿株式会社宛の「納品書(控)」によれば、出荷日欄に「'06/03/30」及びアイテムNo.欄に「KEF-RB14」、品名欄に「ルーバー15100」、数量欄に「52」等の記載が認められる。そして、乙第2号証のカタログの「建築部材」の項、第79頁に見出しを「ルーバー15100」とする項目において、アイテムNo.又は名称の欄に「KEF-RB14」、素材/技術データの欄に「材質 シルバーアルマイトAA10」ほか、価格、ルーバーの写真、施工例等が掲載されている。
 してみると、当該納品書(控)に記載の商品は、乙第2号証カタログに掲載されているアイテムNo.「KEF-RB14」「アルミ建築部材ルーバー」とみられる。
(ウ)乙第1号証の第89枚目の姫路市在の株式会社ハマダ宛の「納品書(控)」によれば、出荷日欄に「'06/07/31」及びアイテムNo.に「KEF-SJ34」、品名欄に「螺旋階段スペーサ」、数量欄に「1」等の記載が認められる。そして、乙第2号証カタログの124頁、125頁には、見出しを「建築部材」「階段」とする項目に、「階段構成部材」中「螺旋階段スペーサ」とする項目においてアイテムNo.又は名称の欄に「KEF-SJ34」、素材/技術データの欄に「材質 シルバーアルマイトAA10」ほか、価格、螺旋階段スペーサの写真等が掲載されている。
 してみると、当該納品書(控)に記載の商品は、乙第2号証のカタログに掲載されたアイテムNo.「KEF-SJ34」の「螺旋階段スペーサ」とみられる。
(エ)そうとすると、商標権者は、2005年(平成17年)4月4日、2006年(平成18年)3月30日及び2006年(平成18年)7月31日に、日本国に所在する顧客との間において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付された2005年2月発行の「建築用アルミ建築部材カタログ」に掲載の「波板材」「ルーバー」及び「螺旋階段スペーサ」を譲渡したといえるから、遅くとも平成18年(2006年)7月31日以前には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した「建築用アルミ建築部材カタログ」について、日本国内の顧客へ頒布したものと推認できる。
(2)以上のとおり、被請求人(商標権者)は、本件審判請求の登録(平成19年7月20日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品について使用していることを証明し得たと認められる。
 したがって、本件商標の指定商品中、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【結審通知日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【審決日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【審判長】 【特許庁審判官】芦葉 松美
【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子

別掲 本件商標
 



 
 

(210)【出願番号】商願平9-120702
(220)【出願日】平成9年5月26日(1997.5.26)
(111)【登録番号】商標登録第4272117号(T4272117)
(151)【登録日】平成11年5月14日(1999.5.14)
(561)【商標の称呼】スタンダードユニッツサプライコーポレーション、スタンダードユニッツサプライ
【最終処分】不成立
【前審関与審査官】岩本 明訓


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