2009年1月20日火曜日

不服2006-28678

【管理番号】第1187482号
【総通号数】第108号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2006-28678(T2006-28678/J1)
【審判請求日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【確定日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【審決分類】
T18  .262-WY (Y30)
【請求人】
【氏名又は名称】ザ・コカ-コーラ・カンパニー
【住所又は居所】アメリカ合衆国ジヨージア州30313アトランタ・ノースウエスト・ワンコカ-コーラプラザ
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】柳生 征男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 和博
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 泉
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博通
【事件の表示】
 商願2005-79116拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「美蓉茶」の文字と「びようちゃ」の平仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年8月24日に登録出願され、その後、指定商品については、同18年7月27日付け手続補正書により、第30類「茶,茶飲料,茶を使用してなるアイスキャンデー・アイスクリーム・その他の茶を使用してなる菓子及びパン」に補正されたものである。
 
2 引用商標
 原査定において、本願の拒絶理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第497070号商標(以下「引用商標1という。)は、「美容」の文字を縦書きしてなり、昭和31年4月26日に登録出願され、第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同32年2月27日に設定登録され、同53年5月10日、同62年6月18日、平成9年6月6日及び同19年2月13日に存続期間の更新登録がされ、同年7月18日に第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。),粉末あめ,水あめ(調味料),もち,パン」に指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1088067号商標(以下「引用商標2」という。)は、「美養」の文字を横書きしてなり、昭和46年9月7日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同49年9月12日に設定登録され、その後、同59年11月26日、平成7年2月27日及び同16年9月7日に存続期間の更新登録がされ、同年9月22日に第30類「茶、コーヒー、ココア、氷」及び第32類「清涼飲料、果実飲料」に指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第2700732号商標(以下「引用商標3」という。)は、「メロディアン」及び「美容茶」の文字を二段に書してなり、平成4年3月17日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年12月22日に設定登録され、その後、同16年9月7日に存続期間の更新登録がされ、同17年4月6日に第30類「茶」に指定商品の書換登録がされたものである。
 以下、これらをまとめていうときは単に「引用商標」という。
 
3 当審の判断
 本願商標は、前記1のとおり、「美蓉茶」の文字と「びようちゃ」の平仮名文字とを上下二段に横書きしてなるところ、該文字は同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、これより生ずると認められる「ビヨウチャ」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一気一連に称呼できるものである。
 そして、たとえ、該構成中の「茶」及び「ちゃ」の文字部分が、商品の普通名称を理解させるものであるとしても、かかる構成態様にあっては、構成中の「茶」及び「ちゃ」の文字部分が分離抽出して看取されるとみるよりも、全体として不可分一体の造語よりなるものとみるのが自然であって、むしろ、構成文字全体に相応する称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
 また、他に構成中の「美蓉」の文字部分のみが独立して認識され、称呼されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
 そうとすれば、本願商標は、その構成全体に相応して「ビヨウチャ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
 他方、引用商標1及び2は、前記2のとおり、「美容」及び「美養」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して「ビヨウ」の称呼が生ずるものというのが相当である。
 また、引用商標3は、「メロディアン」及び「美容茶」の文字よりなるところ、構成中の「美容茶」の文字は、指定商品を取り扱う業界では、美容や健康に茶の成分が効果を有することから、商品の品質、効能を表す場合に、「美容茶」の文字を普通に使用している事情がみられるものであり、該文字部分は自他商品の識別機能を有しないか極めて弱い部分であるから、引用商標3における自他商品の識別機能を有する部分は「メロディアン」の文字部分であるといえる。
 してみれば、引用商標3は、その構成文字全体に相応して、「メロディアンビヨウチャ」の称呼、及び構成中の「メロディアン」の文字部分に相応して、「メロディアン」の称呼をも生ずるものであり、構成中の「美容茶」の文字文字部分より単に「ビヨウチャ」の称呼は生じないというべきである。
 以上のとおり、本願商標より「ビヨウ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【審判長】 【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】末武 久佳
【特許庁審判官】木村 一弘

(210)【出願番号】商願2005-79116(T2005-79116)
(220)【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
(561)【商標の称呼】ビヨウチャ、ビヨーチャ、ビヨウ、ビヨー
【最終処分】成立
【前審関与審査官】佐藤 達夫、旦 克昌

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