2008年12月15日月曜日

取消2007-301132

【管理番号】第1186080号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2007-301132(T2007-301132/J2)
【審判請求日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【確定日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審決分類】
T131 .1  -Y  (Z2528)
【請求人】
【氏名又は名称】龍華 明裕
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿6―22―1 新宿スクエアタワー5階
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社Team G
【住所又は居所】東京都世田谷区三宿1丁目4番23号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】八嶋 敬市
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4403531号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 本件審判の請求は、成り立たない。
 審判費用は、請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4403531号商標(以下「本件商標」という。)は、「GAUGE DESIGN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年12月22日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「ゴルフクラブ,その他の運動用具」を指定商品として、同12年7月28日に設定登録されたものである。
 
2 請求人の主張
 請求人は、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べた。
 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
 なお、請求人は、下記3の被請求人の答弁に対し弁駁をしていない。
  
3 被請求人の答弁
 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
(1)被請求人は、平成15年10月8日から同19年2月28日に原商標権者であった「株式会社ゲージデザイン(以下『ゲージデザイン』という。)」が本件商標を使用していた。
 乙第3号証は、ゲージデザインの履歴事項全部証明書であるが、ゲージデザインは、主にゴルフクラブの企画・製造・販売を行う会社である。
 乙第4号証、乙第5号証及び乙第6号証は、ゲージデザインの製品を掲載したカタログである。乙第4号証及び乙第5号証の表紙に記載の「2005」は、西暦2005年(平成17年)の意であることから、2005年(平成17年)に頒布されたものであることは、明らかである。同様に、乙第6号証は、2006年(平成18年)に頒布されたものである。乙第4号証ないし乙第6号証は、ゴルフクラブ及びその他キャディバックなど、運動用具についてのカタログであることは、明白であり、表紙には、本件商標の使用が確認できる上、裏表紙には、当時の本件商標の商標権者であったゲージデザインについての社名・住所等の表示(乙第6号証においては、表紙下部。)があり、ゲージデザインによる使用であることが確認できる。
 乙第4号証において明らかなように、本件商標が付されたゴルフクラブが相当数発見できる。具体的に品名を挙げてみると、(ELDIK SERIES)と呼ばれるパターの項の品名「ELDIK M」には、パターのヘッド部分に本件商標を確認することができる。その他、これ以外のシリーズ以外の本件商標が付されているパターとしては、品名「MEGA」、「GIGA」、「TERA」及び「THE BALDE」にも掲載のとおり、明らかに本件商標が付されている。また、(GAS1 SERIES)の項には、「GAS1 FORGED」に(IRON)の項の「MUSCLE BACK IRON」及び「FORGED CAVITY IRON」にも本件商標が付されている。その他「GAF1」及び「G001」にも本件商標が付され、また、全てのキャディバックに本件商標が付されているのが分かる。さらに、その他「ELDIK N」、「GAS SRIES」、「GAS2(実物はローマ数字)」及び「GAS1 SQ」などにも、本件商標が付されている。
 乙第5号証を見ると、上記クラブの他にパターでは、「ELDIK ACE」及び「TUBU BLACK」に、アイアンでは、「NC-1 CAVITY IRON」に、そして、ゴルフバッグでは、「TOUR STAFF CADDIE BAG」に、本件商標が付されているのが容易に確認できる。
 乙第6号証を見ると、「CCB IRON」には、フェース裏面に本件商標が付されているのが分かる。
(2)本件商標を付したゴルフクラブ等は、雑誌にも取り上げられている。
 添付の「Golf Style G vo1.21(2005年7月1日発行号)」(乙第7号証)には、ゲージデザインの2005年のアイアンについて広告の掲載がある。上記乙第4号証及び乙第5号証にも掲載されている「GAS1 FORGED」が紹介されている。その部分を見ると、「19,950円」と価格が打たれ、また、ページ最下部にゲージデザインの本社及び工房・ショールームの連絡先が記されている。
 したがって、本雑誌が発行された平成17年7月1日には、本件商標を付した商品は、販売されており、需要者の求めに応じて商品を提供できる状態にあったことが分かる。
 また、「Golf Style G vol.23(2005年11月1日発行号)」(乙第8号証)には、上記乙第5号証に掲載されている「TUBU BLACK」に係る紹介が載せられている。確認すると、フェース部分とヘッド裏側部分に本件商標が付されているのが容易に把握できる。当該パターに関する詳細情報や値段及びページの最下部には、ゲージデザインの連絡先が掲載されている。
 さらに、乙第8号証と同時期に発売された「Golf Classic(2005年11月1日発行号)」(乙第9号証)には、上記乙第4号証等に掲載の「GAS1 FORGED」が掲載されている。また、乙第5号証に掲載されていた「ELDIK ACE(エルディックエース)」が紹介されている。
 このように、本件商標を付したゴルフクラブは、ゴルフ雑誌等にも数多く紹介されている。当然ながら、ゲージデザインが出所として容易に分かるように紹介されている。
(3)販売実績を示すものとして、納品書を示す(乙第10号証)。
 以下、「日付,伝票No.,(品名)」として一部挙げる。
・「平成17年7月1日,33,(NC-1 キャビティアイアン)」
・「平成17年9月6日,174,(MEGA)(GIGA)(THE
 BALDE)」
・「平成17年9月17日,478,(ツアースタッフキャディバック)」
・「平成17年10月11日,225-2,(GAS 1 SQ)」
・「平成17年11月11日,230,(GAS2(実物はローマ数字)) 」
・「平成17年11月22日,532,(G001)」
・「平成18年1月31日,535-1,(ELDIK M)(TERA)
 (TUBU BLACK)他」
・「平成18年3月17日,245,(CCB IRON[アイアン])」
・「平成18年3月20日,284-1,(GAS 1 Forged)」
・「平成18年4月5日,94-3,(ELDIK ACE)他」
(4)第25類「被服等」について、本件商標の使用の事実を示す。
 乙第11号証は、納品書である。乙第12号証は、ゲージデザインが作成し、FAXで得意先に送っていた得意先元帳の中の1頁であり、納品書(乙第11号証)に対応する頁である。乙第12号証においては、タイトル「得意先元帳」の下に顧客名が、また、書面の下部には、FAXされた日時が付されているのが分かる。なお、乙第12号証は、ゲージデザインからFAXされたものを当該顧客から借り受けたものである。この納品書(乙第11号証。平成18年6月1日伝票No20)を見ると、ゲージデザインがゴルフウェアを有償で譲渡していることが分かる。そして、この納品書の日付及び伝票番号に対応する得意先元帳(乙第12号証)を調べると、「ファインクールT(シャツ)」であることが分かる。ここで、ゲージデザインによるものではないが、ある小売店の販売サイトで、「ファインクールTシャツ」の画像及びカラーバリエーションを確認できる。
 乙第13号証に掲載の部分拡大写真を見ると、左胸部分、首に程近い背中部分及び袖部分に通称「キャリパーマーク(商標登録第4448084号)」が付されているのが分かる。また、袖部分には「F.Cool-α」の文字が確認できる。
 乙第14号証は、納品書(乙第11号証)及び得意先元帳(乙第12号証)に示した実際の販売に係る「ファインクールTシャツ 黒」の実物の写真を示す。
 上記乙第13号証に示した商品と同様、左胸部分、首に程近い背中部分及び袖部分にキャリパーマークを確認でき、同じく袖部分に「F.Cool-α」の文字が確認できる。よって、乙第13号証及び乙第14号証に掲載の商品は、同じ商品であり、「ファインクールTシャツ」であることが分かる。
 ここで、乙第14号証の「タグ拡大写真」において、本件商標の使用が確認できる。また、「縫い付けラベル拡大写真」には、ゲージデザイン及びゲージデザインの「工房・ショールーム」の電話番号が付されており、製造元がゲージデザインであることが容易に確認できる。この「工房・ショールーム」の電話番号は、雑誌(乙第7号証)、カタログ(乙第5号証)等にも実際に掲載のある番号である。
 なお、乙第15号証として、乙第4号証及び乙第5号証に掲載の顧客が実際に「ファインクールTシャツ」をゲージデザインから有償で譲り受けたことを示す証明書を示す。以上、乙第11号証ないし乙第15号証から明らかな様に、平成18年6月1日時点で商標権者であったゲージデザインが少なくとも「Tシャツ」について使用している事実が確認できる。
(4)以上のように、本件審判請求登録日前3年以内に、日本国内において商標権者であったゲージデザインが本件商標を使用していたことは、明白である。
 
4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第4号証ないし乙第6号証は、ゲージデザインの製品を掲載したカタログと認められるところ、このカタログに掲載された「ELDIK M」、「MEGA」、「GIGA」及び「TERA」等の品名のパターのヘッド部分に、「Gauge Design」の文字が付されている。同様に、「GAS1 SQ」、「GAS1 FORGED」及び「NC-1 CAVITY IRON(キャビティアイアン)」等の品名のアイアンのヘッド部分に、「Gauge Design」の文字が付されている。その他、カタログに掲載されたゴルフクラブ、キャディバック等にも「Gauge Design」の文字が付されている。そして、これらの商品に付された「Gauge Design」の文字は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
 また、乙第4号証及び乙第5号証のカタログの表紙に「PRODUCT CATALOG 2005」、裏表紙に「株式会社ゲージデザイン」とその所在地と認められる住所、電話番号等が記載されており、乙第6号証のカタログの表示に「2006 Spring Debut!」及び「株式会社ゲージデザイン」とその所在地と認められる住所、電話番号等が記載されていることから、「2005」及び「2006」は、西暦2005年(平成17年)及び西暦2006年(平成18年)の意であって、その両年にゲージデザインが当該カタログを頒布したことを容易に推認することができる。
(イ)乙第10号証は、平成17年7月1日から平成18年5月5日の間に「ゲージデザイン」が「ゴルフプラザ72」宛に発行した納品書と認められるところ、その納品書のコード・商品名欄に、「ELDIK-Mパター」、「MEGAパター」、「GIGAパター」、「TERAパター」、「NC-1キャビティアイアン」及び「GAS1 Forged」のように、乙第4号証ないし乙第6号証のカタログに掲載された商品と同じ名称の商品が表示されている。 
(ウ)乙第2号証の商標登録原簿の記載によれば、ゲージデザインは、平成19年2月28日までは、本件商標の商標権者であったことが認められる。
(2)以上の認定事実によれば、商標権者であった「ゲージデザイン」は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品中の「ゴルフクラブ」等について使用していたことが認められる。
(3)したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品についての登録商標の使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条第1項により、その登録を取り消すことはできない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【結審通知日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【審決日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【審判長】 【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】小林 由美子
【特許庁審判官】久我 敬史

(210)【出願番号】商願平11-117263
(220)【出願日】平成11年12月22日(1999.12.22)
(541)【標準文字】
(111)【登録番号】商標登録第4403531号(T4403531)
(151)【登録日】平成12年7月28日(2000.7.28)
(561)【商標の称呼】ゲージデザイン、ゲージ
【最終処分】不成立

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