2008年12月19日金曜日

取消2007-301259

【管理番号】第1186075号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2007-301259(T2007-301259/J2)
【審判請求日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【確定日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Y25)
【請求人】
【氏名又は名称】マグレガーゴルフジャパン株式会社
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目13番3号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 幸邦
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社ディーシーティーエンタテインメント
【住所又は居所】東京都目黒区青葉台1-11-19
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4709020号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4709020号商標の指定商品中第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4709020号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年10月30日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ヘルメット,ナイトキャップ,帽子,ずきん,すげがさ,バンド,ベルト,靴下止め,ズボンつり,ガーター,靴類(「靴あわせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴あわせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」及び第16類並びに第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年9月12日に設定登録されたものである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
 請求人の調査によれば、本件商標は、その指定商品中の第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がなく、また、それについての正当事由も存在しない。
 したがって、本件商標の指定商品中、第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁の要旨 
 被請求人は、乙第1号証の写真を提出し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標をリストバンドに使用している旨主張している。
 しかしながら、乙第1号証をみる限り、リストバンドには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は見当たらない。
 したがって、乙第1号証によっては、本件商標が「運動用特殊衣服」に使用された事実は認められない。
 なお、被請求人より、いわゆるアサインバックの用意があるので審判を取り下げるよう連絡を受けた事実があるが、請求人としては、その必要を認めず、交渉を打ち切っている。
 
3 被請求人の主張
 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。
 被請求人は、自ら、本件商標と社会的通念上同一と認められる商標を指定商品「リストバンド」について、本審判請求予告登録日前3年以内の平成16年10月15日から平成19年10月15日の間に日本国内において使用している。具体的商品については、乙第1号証に示すとおりである。
 なお、被請求人は、本件商標について、いわゆるアサイン・バックを希望しており、現在、請求人と交渉を行っている。交渉が成立しなかった場合には、使用の事実を示す書類を提出する予定である。
 よって、本件商標は、少なくとも、第25類の「リストバンド」については取消されるものではないから、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。
 
4 当審の判断
 本件商標は、別掲に示したとおり、アンテナを有する円盤の如き図形を表し、その中に、かなりデザイン化して表された「DCT」の文字を大きく表し、該文字の下に、やゝ湾曲した状態をもって「records」の文字を配した構成からなるものである。
 被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定商品中の「リストバンド」について使用しているとして、乙第1号証(写真)を提出している。
 そこで、被請求人の提出に係る乙第1号証の写真をみるに、該写真に撮影されている「リストバンド」は、取消請求に係る「運動用特殊服(衣服)」の範疇に属する商品であることを認めることができる。
 しかしながら、該「リストバンド」に表示されている商標は、擬人化された太陽と思しき図形とその右横に「DREAMS COME TRUE」と「WONDERLAND 2007」の文字とを二段に表した構成からなる商標である。
そうとすれば、被請求人が使用しているとする商標は、本件商標とは明らかにその構成を異にするものであるから、本件商標についての使用とは認められないものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということもできないものである。
 この点について、被請求人は、本件商標について、いわゆるアサイン・バックを希望しており、現在、請求人と交渉を行っており、交渉が成立しなかった場合には、使用の事実を示す書類を提出する予定である旨述べているが、請求人提出の弁駁書(平成20年3月27日付)によれば、その交渉を既に打ち切った旨述べられている。
 そうとすれば、被請求人から提案されたものと認められる交渉が不調に終わったことについては、遅くも請求人が弁駁書を提出する時点までにおいて、当然、被請求人も承知していたものと推認されるところである。しかるに、被請求人は、「交渉が成立しなかった場合には、使用の事実を示す書類を提出する予定である」旨述べているにもかかわらず、今日に至るも、何ら追加の証拠を提出していない。
 してみれば、被請求人提出の乙第1号証によるも、本件商標は、本件審判請求の登録(平成19年10月16日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、取消請求に係る指定商品「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について使用されていなかったものといわなければならない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」についての登録を取り消すべきものとする。 
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【結審通知日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【審決日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【審判長】 【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】藤平 良二

別掲 本件商標



 

(210)【出願番号】商願2002-91908(T2002-91908)
(220)【出願日】平成14年10月30日(2002.10.30)
(111)【登録番号】商標登録第4709020号(T4709020)
(151)【登録日】平成15年9月12日(2003.9.12)
(561)【商標の称呼】ドクトレコーズ、デイシイテイレコーズ、ドクト、デイシイテイ、レコーズ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】澁谷 良雄

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