2008年12月5日金曜日

不服2007-30488

【管理番号】第1184466号
【総通号数】第106号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-30488(T2007-30488/J1)
【審判請求日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【確定日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【審決分類】
T18  .13 -WY (Y0942)
T18  .272-WY (Y0942)
【請求人】
【氏名又は名称】NECエレクトロニクス株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区下沼部1753番地
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】羽切 正治
【事件の表示】
 商願2006-15391拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「お手軽ゲートアレイ」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年2月22日に登録出願されたものである。
 
2 原査定の拒絶理由の要旨
 原査定は、「本願商標は、『お手軽ゲートアレイ』の文字を書してなるところ、全体として、『簡易な(手間がかからない)ゲートアレイ(配線のしていない論理回路を配列したLSIで、ユーザーの注文に応じて配線層の加工をして提供されるカスタムLSI)』であることを認識させるにとどまるものと認める。そうとすると、これをその指定商品中、例えば『集積回路』及び『集積回路が組み込まれた商品』等について使用するときは、単に『使用方法等が簡易な(すなわち各種商品に簡単に適用できる)ゲートアレイ』及び『前記のゲートアレイが組み込まれた商品』、『前記のゲートアレイに対応したプログラム』であるという商品の品質を表示するにすぎず、また、その指定役務中、例えば『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計』等について使用するときは、単に『前記のゲートアレイに対応した電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,前記のゲートアレイが組み込まれた電子計算機の貸与,前記のゲートアレイに対応した電子計算機用プログラムの提供,前記のゲートアレイの設計』であるという役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 
 
3 当審の判断
 本願商標は、前記1のとおり「お手軽ゲートアレイ」の文字からなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔で外観上もまとまりよく一体的に表してなるものであり、これより生ずると認められる「オテガルゲートアレイ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
 そして、たとえ、構成中の「お手軽」の文字から「手数がかからないこと。簡易。」等の意味合いを想起する場合があるとしても、本願商標全体からは、直ちに商品の具体的な品質等を表示するものとして理解するとはいい難く、むしろ、その構成文字全体をもって特定の意味を有しない一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。
 また、当審において職権をもって調査するも、「お手軽ゲートアレイ」の文字が本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、商品の品質及び役務の質を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実を発見することはできなかった。
 そうすると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、商品の品質及び役務の質等を表示したものと認識させるものではなく、自他商品及び役務の出所識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれもないというべきである。
 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものではなく取り消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【審判長】 【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】末武 久佳
【特許庁審判官】矢澤 一幸

(210)【出願番号】商願2006-15391(T2006-15391)
(220)【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
(561)【商標の称呼】オテガルゲートアレイ、オテガルゲートアレー、オテガル、ゲートアレイ、ゲートアレー、テガルゲートアレー
【最終処分】成立
【前審関与審査官】豊泉 弘貴、杉山 和江

0 件のコメント: