2008年12月29日月曜日

平成17年(行ケ)第10022号

平成17年(行ケ)第10022号 特許取消決定取消請求事件(平成17年4月
18日口頭弁論終結)
          判決
原告        京セラ株式会社
訴訟代理人弁理士  竹口幸宏
同         多田一彦
被告        特許庁長官 小川洋
指定代理人     内田正和
同         大日方和幸
同         立川功
同         宮下正之
同         矢島伸一

          主文
      特許庁が異議2003-72566号事件について平成16年7月27日にした決定を取り消す。
 訴訟費用は原告の負担とする。
  事実及び理由
1 原告は,主文第1項と同旨の判決を求め,特許庁は,平成16年7月27日,異議2003-72566号事件について特許第3398331号(発明の名称・温度補償型水晶発振器の製造方法,特許権者・原告。以下「本件特許」という。)の請求項1,2項に係る特許を取り消す旨の決定をしたが,同請求項1,2につき,平成17年3月29日,特許請求の範囲の減縮等を目的とする訂正を認容する訂正審決が確定したから,決定は取り消されるべきである旨述べた。
2 本件特許の請求項1,2につき,特許請求の範囲の減縮等を目的とする訂正を認容する訂正審決が確定したことは当事者間に争いがない。そうすると,決定は,結果として,判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったものとなり,この誤りが決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。
  したがって,決定は取消しを免れない。
3 以上によれば,原告の本件請求は理由があるから,これを認容することとし,訴訟費用については,本件訴訟の経過にかんがみ,これを原告に負担させるのを相当と認め,主文のとおり判決する。
  知的財産高等裁判所第1部
   裁判長裁判官    篠  原  勝  美
      裁判官    青  栁     馨
      裁判官    宍  戸     充


平成17年(行ケ)第10017号

平成17年(行ケ)第10017号 特許取消決定取消請求事件(平成17年4月
20日口頭弁論終結)
          判決
原告        住友電気工業株式会社
訴訟代理人弁護士  杉本進介
同    弁理士 上代哲司
被告         特許庁長官 小川洋
指定代理人    吉水純子
同 中村朝幸
同 一色由美子
同 宮下正之
          主文
      特許庁が異議2003-71050号事件について平成16年6月2
4日にした決定を取り消す。
 訴訟費用は被告の負担とする。
  事実及び理由
第1 請求
 主文と同旨
第2 当事者間に争いがない事実
 1 特許庁における手続の経緯
  (1) 原告は,平成5年12月10日,発明の名称を「難燃性組成物及び電線,
ケーブル」とする発明につき特許出願(特願平5-341440号)をした。同出
願について,特許庁は,特許をすべき旨の査定をし,平成14年8月16日,特許
第3339154号として設定登録がされた(以下,この特許を「本件特許」とい
う。)。
  (2) その後,本件特許について特許異議の申立てがされ,異議2003-71
050号事件として特許庁に係属した。同事件の審理の過程において,原告は,平
成15年9月26日付けで本件特許出願の願書に添付した明細書(設定登録時のも
の。)の訂正を請求した。
  (3) 特許庁は,上記事件について審理を遂げ,平成16年6月24日,上記訂
正を認めるとした上で,「特許第3339154号の請求項1,2に係る特許を取
り消す。」との決定をし,その謄本は同年7月10日に原告に送達された。
2 前記訂正後の明細書(甲4添付。以下「本件訂正明細書」という。)の特許
請求の範囲の請求項1,2に記載された発明(以下,請求項1,2係る発明を,そ
れぞれ「本件発明1」,「本件発明2」という。)の要旨
【請求項1】 水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し,脂肪
酸,脂肪酸金属塩,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤より選ばれ
た少なくとも1種類を主成分とする表面処理剤を,上記天然鉱物に対して0.5~
5重量%添加して表面処理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチック又
はゴムに添加し難燃性を付与するとともに吸湿性を抑えたことを特徴とする難燃性
組成物。
  【請求項2】 請求項1記載の難燃性組成物の被覆層を具えていることを特徴
とする電線,ケーブル。
 3 決定の理由
  (1) 決定の理由は別添「異議の決定」謄本写し記載のとおりであり,その要旨
は,本件発明1は,特開平5-17692号公報(甲2。以下「刊行物1」とい
う。),特開平4-296404号公報(甲3。以下「刊行物6」という。)に記
載された発明(以下,それぞれ「刊行物1発明」,「刊行物6発明」という。)に
基づいて当業者が容易に発明することができたものであり,また,本件発明2は,
本件発明1に係る難燃性組成物の被覆層を具えている電線,ケーブルの発明である
が,刊行物6には,「刊行物6発明に係る難燃性組成物の被覆層を備えている電
線」も記載されているから,本件発明2も,本件発明1と同じく,刊行物1,6に
記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから,
本件特許は,特許法29条2項の規定に違反してされたものであり,平成6年法律
第116号附則14条に基づく平成7年政令第205号4条2項により取り消すべ
きである,というものである。
(2) なお,決定が認定した,本件発明1と刊行物6発明と一致点及び相違点
は,それぞれ次のとおりである。
ア 一致点(決定謄本6頁最終段落~7頁第1段落)
     「水酸化マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処理
剤を添加して表面処理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチックに添加
し,難燃性を付与するとともに吸湿性を抑えた難燃性組成物。」
イ 相違点(同7頁第2段落)
「前者(注,本件発明1)は,水酸化マグネシウムが,『水酸化マグネ
シウムを主成分とする天然鉱物を粉砕』して得た『主成分が水酸化マグネシウムで
ある粉砕物』であって,表面処理剤を上記天然鉱物の粉砕物に対して0.5~5重
量%添加して表面処理を施したものであるのに対して,後者(注,刊行物6発明)
は,水酸化マグネシウムの由来が不明であり,表面処理剤を水酸化マグネシウムに
対して2重量%添加して表面処理を施したものである点。」
第3 原告主張の決定取消事由
   決定は,本件発明1と刊行物6発明との一致点・相違点の認定を誤り(取消
事由1),また,本件発明1と刊行物6発明との相違点についての判断を誤った
(取消事由2)ものであり,それらの誤りが決定の結論に影響を及ぼすことは明ら
かであるから,違法として取り消されるべきである。
1 取消事由1(一致点・相違点の認定の誤り)
(1) 一致点の認定の誤り
   ア 決定は,本件発明1と刊行物6発明とは,「水酸化マグネシウムにシラ
ンカップリング剤を主成分とする表面処理剤を添加して表面処理(ただし湿式表面
処理を除く)を施してプラスチックに添加し,難燃性を付与するとともに吸湿性を
抑えた難燃性組成物。」である点で一致すると認定している。
     しかしながら,本件発明1は,飽くまで「水酸化マグネシウムを主成分
とする天然鉱物を粉砕」したものに表面処理剤を添加して表面処理を施してプラス
チック等に添加するものであり,水酸化マグネシウムそれ自体に表面処理剤を添加
して表面処理を施してプラスチック等に添加するものではない。
     したがって,「水酸化マグネシウム」に表面処理剤を添加して表面処理
を施すとの点を一致点とした決定の認定は,誤りである。
イ また,刊行物6発明は,水酸化マグネシウムに,ビニル基又はポリスル
フィド結合を有するシランカップリング剤及びアルキルアルコキシシランカップリ
ング剤の両方を表面処理剤として添加して表面処理を施してプラスチックに添加す
ることにより,初めて浸水後の絶縁抵抗の著しい低下を防げるのである。したがっ
て,「水酸化マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処理剤を添
加して表面処理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチックに添加し」た
だけで,当然に浸水後の絶縁抵抗の著しい低下を防げるものではない。
     したがって,その意味からも上記の点を一致点とした決定の認定は誤り
である。
 (2) 相違点の認定の誤り
    決定は,本件発明1は,水酸化マグネシウムが,「水酸化マグネシウムを
主成分とする天然鉱物を粉砕」して得た「主成分が水酸化マグネシウムである粉砕
物」であって,表面処理剤を天然鉱物の粉砕物に対して0.5~5重量%添加して
表面処理を施したものであるのに対して,刊行物6発明は,水酸化マグネシウムの
由来が不明であり,表面処理剤を水酸化マグネシウムに対して2重量%添加して表
面処理を施したものである点が両発明の相違点であると認定している。
    しかしながら,まず,決定は刊行物6記載の水酸化マグネシウムの由来が
不明であるというが,刊行物6記載の水酸化マグネシウムが,天然鉱物を粉砕した
ものではないことは明らかである。したがって,本件発明1と刊行物6発明とは,
本件発明1が,水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものに表面
処理剤を添加して表面処理を施してプラスチックに添加するものであるのに対し,
刊行物6発明は,飽くまで天然鉱物を粉砕したものではない水酸化マグネシウムそ
れ自体に表面処理剤を添加して表面処理を施してプラスチックに添加するものであ
る点で相違すると認定すべきである。
また,両発明は,本件発明1が,表面処理剤としてシランカップリング剤
等のうち少なくとも1種を主成分とするものを添加してその目的(吸湿性を抑制し
た難燃性組成物を得ること)を達成するのに対し,刊行物6発明は,表面処理剤と
してシランカップリング剤とアルキルアルコキシシランカップリング剤を併用した
ものを添加して初めてその目的を達成できるもので,表面処理剤としてシランカッ
プリング剤を添加するだけはその目的を達成できないという点でも相違するもので
り,決定はこの相違点を看過している。
2 取消事由2(相違点についての判断の誤り)
(1) 決定は,刊行物1の記載から,「『水酸化マグネシウムを主成分とする天
然鉱物を原料とし,粉砕』して得た『水酸化マグネシウム』に表面処理を施したも
のは,難燃性組成物に難燃性を付与するとともに耐酸性を向上させる添加剤とし
て,本件出願当時,すでに知られた事項であったといえる」(決定謄本7頁下から
第3段落)としている。
    刊行物1に上記事項が記載されていることはそのとおりであるが,そこに
は,吸湿性の抑制のためには,天然鉱物の粉砕物に対する表面処理剤の割合を限定
しなければならないことや,表面処理を特に湿式表面処理ではなく乾式表面処理と
しなければならないことについては,一切示唆されていない。すなわち,刊行物1
発明の発明者は,本件発明1の課題自体に気がついておらず,したがってまた,そ
の解決手段についても全く気がついていなかったのである。
  決定は,「刊行物1の記載によると,『耐酸性の向上』は,『高湿度空気
中に放置』した場合の『空気中の炭酸ガスと水酸化マグネシウムの反応』を抑える
こと,すなわち,『高湿度空気中の水分が誘起する炭酸ガスと水酸化マグネシウム
の反応』を抑えることをも意味するものであって・・・,水分の吸湿の抑制により
『炭酸ガスと水酸化マグネシウムの反応』も抑制されることは明らかであるから,
『耐酸性の向上』とは,『吸湿性の抑制』とも言い換えることができる」(決定謄
本7頁下から第2段落)としているが,誤りである。
    確かに,酸性化の一態様として,高湿度空気中で,材料表面に空気中の炭
酸ガスと水酸化マグネシウムが反応して炭酸マグネシウムが析出する場合がある。
しかし,この高湿度空気中で生じる反応も,水酸化マグネシウムが高湿度空気中の
水分を吸収するわけではなく,飽くまで空気中の炭酸ガスと水酸化マグネシウムが
反応するものである。したがって,刊行物1発明において,炭酸ガスと水酸化マグ
ネシウムの反応が抑制されるのは,水酸化マグネシウムにより水分の吸湿が抑制さ
れるからではなく,そのような吸湿性の抑制とは関係なく,直に炭酸ガスと水酸化
マグネシウムの反応が抑制されることによるものである。したがって,刊行物1記
載の「耐酸性の向上」は「吸湿性の抑制」とは明らかに異なるものであり,上記
「耐酸性の向上」を「吸湿性の抑制」と言い換えることはできない。
    刊行物1の記載からも明らかなように,「耐酸性の向上」だけであれば,
天然鉱物を粉砕したものに表面処理剤で表面処理を施すだけでよく,その表面処理
が乾式法か湿式法かにかかわらないのである。これに対し,原告従業員A作成の
「天然鉱物を原料とする水酸化マグネシウムの耐酸性及び吸湿性評価」と題する実
験レポート(甲7。以下「甲7の実験レポート」という。)から明らかなように,
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものに表面処理を施して
「吸湿性の抑制」を図るためには,その表面処理が湿式法では不十分であり,乾式
法でなければ十分な効果が生じないのである。
    甲7の実験レポートは,天然鉱物を原料とする水酸化マグネシウムの耐酸
性と吸湿性について調べた結果を記載したものであるが,これによれば,「耐酸性
の向上」においては,表面処理が乾式法であるか湿式法であるかによって差がない
のに対し,「吸湿性の抑制」においては,乾式法による表面処理の方が湿式法によ
る表面処理よりも優れていることは明白である。
    いずれにしても,本件発明1は,刊行物1発明をさらに「吸湿性の抑制」
という点で改良したもので,そのために,天然鉱物の粉砕物に対する表面処理剤の
割合を限定したり,表面処理を特に乾式法に限定したものであることからしても,
両発明は明らかに異なり,刊行物1記載の「耐酸性の向上」を「吸湿性の抑制」と
言い換えることは誤りである。
(2) 決定は,刊行物1記載の「耐酸性の向上」を「吸湿性の抑制」と言い換え
ることができるということを前提として,刊行物6発明も,水酸化マグネシウムに
表面処理を施してプラスチックに添加することにより,難燃性組成物に「『難燃性
を付与するとともに吸湿性を抑える』ものであるから,この『水酸化マグネシウ
ム』を,難燃性を付与するとともに,吸湿性を抑制することが公知であった刊行物
1に記載の『水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕』して得た『主成
分が水酸化マグネシウムである粉砕物』とすることは,当業者が容易になし得たこ
とであるといえる」(決定謄本7頁最終段落~8頁第1段落)としているが,誤り
である。
    すなわち,刊行物1記載の「耐酸性の向上」を「吸湿性の抑制」と言い換
えることができるという前提が誤りであるから,その誤った内容を前提とした,刊
行物6記載の「水酸化マグネシウム」を「天然鉱物の粉砕物」とすることは当業者
が容易になし得たことであるという内容も当然誤ったものであることは明らかであ
る。
    また,そもそも,刊行物6発明は,良好な引張特性,電気特性,難燃性を
有し,加えて燃焼時に有毒なハロゲン系ガスを発生しないような難燃性電気絶縁組
成物とするために,ポリオレフィンに含有させる金属水酸化物の表面処理として,
ビニル基又はポリスルフィド結合を有するシランカップリング剤及びアルキルアル
コキシシランカップリング剤の両方を併用して行うこととしたものであり,刊行物
6(甲3)の【表1】に記載の比較例3からも明らかなように,表面処理剤として
シランカップリング剤を単独で使用しただけでは,決して浸水後の絶縁抵抗の著し
い低下を防ぐことはできないのである。しかも,刊行物6記載の実施例に示されて
いる水酸化マグネシウムは,明らかに天然鉱物の粉砕物ではなく,そこで得られた
結果は,飽くまで天然鉱物を粉砕したもの自体ではない水酸化マグネシウムの試験
結果にすぎない。原告従業員A作成の「水酸化マグネシウムの表面処理法の差によ
る吸湿性比較検討」と題する実験レポート(甲8。以下「甲8の実験レポート」と
いう。)は,水酸化マグネシウムの表面処理法(乾式法か湿式法か)の差による吸
湿性を比較検討したものであるが,これによると,天然鉱物を粉砕したものについ
ては,乾式法で表面処理をした方が湿式法で表面処理した場合より吸湿性を抑える
のに顕著な効果があるのに対し,天然鉱物を粉砕したものではない,海水を原料と
して製造された水酸化マグネシウムのような合成品の水酸化マグネシウムの場合
は,乾式法による表面処理と湿式法による表面処理とで吸湿特性はほとんど変わら
ないことが示されている。このことから,合成品の水酸化マグネシウムに関するデ
ータは天然鉱物を粉砕したものの検討において参考とはならないことが分かる。
    したがって,天然鉱物を粉砕したものに乾式法で表面処理を行うことによ
って,初めて「吸湿性の抑制」を図ることができるようになったという,本件発明
1の技術的思想に思い至らなければ,刊行物6記載の天然鉱物を粉砕したものでは
ない水酸化マグネシウムを,わざわざ天然鉱物を粉砕したものに変える必然性は全
くないのであり,また,刊行物6発明の本質が,ビニル基又はポリスルフィド結合
を含有するシランカップリング剤及びアルキルアルコキシシランカップリング剤の
両方を併用して表面処理を行うことにあることからすれば,この両方の併用を必ず
しも必要としない刊行物1発明と刊行物6発明とを結びつけることも,当業者が容
易に想到し得るものではないことは明らかである。
  (3) 決定は,本件発明1と刊行物6発明とで,「表面処理剤による表面処理の
目的は,難燃性付与,吸湿性の抑制と共通しているから,この目的のために,表面
処理剤の添加量を適宜設定して,本件発明1における添加量とすることは,当業者
が容易になし得る設計的事項にすぎない」(決定謄本8頁第1段落)と判断してい
るが,誤りである。
    すなわち,刊行物6発明は,良好な引張特性,電気特性及び難燃性を有
し,加えて燃焼時に有毒なハロゲン系ガスを発生しないような難燃性電気絶縁組成
物とするために,ポリオレフィンに含有させる金属水酸化物の表面処理として,ビ
ニル基又はポリスルフィド結合を有するシランカップリング剤及びアルキルアルコ
キシシランカップリング剤の両方を併用して添加することととしたものであり,そ
こには,上記目的のために,水酸化マグネシウムに対する表面処理剤の量的割合を
どのようにしたらよいかという発想は全く存在しない。刊行物6記載の実施例に示
された,平均粒径1μmの水酸化マグネシウム1.1kgに対し,表面処理剤22
gを添加し,表面処理(ただし湿式を除く。)するとの記載は,飽くまで試験条件
の一つを示しただけであり,かえって,刊行物6の【表1】に記載の比較例3にお
いては,上記条件でも浸水後の絶縁抵抗の著しい低下をもたらしているのであるか
ら,刊行物6には,耐湿性の改善のため,水酸化マグネシウムの量に対し表面処理
剤をどの程度入れればよいか,また,どのような表面処理(乾式か湿式か)を行う
かという点の考え方は一切開示されていないというべきである。
    また,刊行物6記載の実施例の水酸化マグネシウムは,飽くまで天然鉱物
を粉砕したものではないことから,浸水後の絶縁抵抗の著しい低下を防ぐために
は,飽くまでビニル基又はポリスルフィド結合を有するシランカップリング剤及び
アルキルアルコキシシランカップリング剤の両方を併用して表面処理をすることが
必要であり,しかも,水酸化マグネシウム1.1kgに対し,表面処理剤22gを
添加して表面処理をしても,必ずしも浸水後の絶縁抵抗の著しい低下を防ぐことは
できないのである。
    したがって,刊行物6発明を基に,吸湿性の抑制という目的を達成しよう
とする場合は,飽くまで刊行物6発明そのものを実行しようとするのは当然であ
り,表面処理剤の添加量を刊行物6に示された試験条件に合わせても,必ずしも吸
湿性の抑制という目的が達成できない場合があるのであるから,吸湿性の抑制の目
的のために,刊行物6発明を基に,表面処理剤の添加量を適宜設定して,本件発明
1における添加量とすることなど,当業者が容易になし得る設計的事項などとは決
していえない。
(4) 以上のとおり,刊行物6記載の天然鉱物を粉砕したものではない水酸化マ
グネシウムを,刊行物1記載の天然鉱物を粉砕したものとすることは,決して当業
者が容易になし得ることではなく,また,刊行物6発明を基に,吸湿性の抑制の目
的のために,表面処理剤の添加量を適宜設定して本件発明1における添加量とする
ことも,決して当業者が容易になし得る設計的事項ではない。
第4 被告の反論
決定の一致点・相違点の認定,相違点についての判断はいずれも相当であっ
て,決定に原告主張の決定取消事由はない。
1 取消事由1(一致点・相違点の認定の誤り)について
  (1) 一致点の認定の誤りについて
ア 本件発明1における「水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉
砕」したものは,「その主成分が水酸化マグネシウムである粉砕物」となるから,
本件発明1は,厳密には,原告の主張のとおり,「水酸化マグネシウムを主成分と
するものに・・・表面処理剤を添加し」という構成を有するものである。
     しかしながら,「水酸化マグネシウム」のような物質名は,「純粋なそ
の物質」以外にも,「主成分がその物質であるもの」を表記するために用いられる
ことは,周知・慣用のことであり,本件発明1の,厳密には「水酸化マグネシウム
を主成分とするもの」を「水酸化マグネシウム」と表すことは,慣用の範囲内のこ
とであるにすぎない。
     一方,刊行物6においては,「水酸化マグネシウム」の表すものが「純
粋な水酸化マグネシウム」であるのか,厳密には「水酸化マグネシウムを主成分と
するもの」であるのか不明であるが,上記表記の周知・慣用の用法に従えば,いず
れも「水酸化マグネシウム」と表記してよいものである。
     したがって,決定において,上記慣用の表記に従い,本件発明1と刊行
物6発明の一致点として「水酸化マグネシウムに・・・表面処理剤を添加して」と
認定したことに誤りはない。
     なお,刊行物6記載の実施例において採用されている「水酸化マグネシ
ウム」が,仮に甲6(神島化学工業株式会社のホームページ写し)に記載された
「マグシーズN,Sシリーズ」のように「海水を原料とした合成品」であるとする
と,やはり「水酸化マグネシウムを主成分とするもの」となるから,本件発明1と
刊行物6発明の「水酸化マグネシウム」は,厳密な意味においても一致するといえ
る。
イ 決定においては,刊行物6(甲3)記載の実施例1ないし4及び比較例
2において具体的に採用された樹脂組成物に基づいて,刊行物6発明を把握したも
のであり,「ビニルエトキシシラン/メチルメトキシシラン=60/40」(実施
例1,2),「ポリスルフィド系シラン/フェニルトリエトキシシラン=50/5
0」(実施例3,4),及び単独使用の「ビニルトリエトキシシラン」(比較例
2)は,いずれも「シランカップリング剤」といえることは明らかであるから,刊
行物6発明を「水酸化マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処
理剤を,上記水酸化マグネシウムに対して2重量%添加して表面処理(ただし湿式
表面処理を除く)を施してプラスチックに添加し,難燃性を付与するとともに吸湿
性を抑えた難燃性組成物。」と認定し,本件発明1と刊行物6発明の一致点を「水
酸化マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処理剤を添加して表
面処理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチックに添加し,難燃性を付
与するとともに吸湿性を抑えた難燃性組成物。」とした決定の認定に誤りはない。
 (2) 相違点の認定の誤りについて
  ア 刊行物6記載の「水酸化マグネシウム」は,その平均粒径(実施例とし
て例示された1μm)から天然鉱物由来のものではない可能性は高いものの,水酸
化マグネシウムの由来が「天然鉱物」以外の何であるかは依然として不明であると
いわざるを得ないし,平均粒径の記載だけに基づいて,これを「天然鉱物由来でな
い」と断定することも困難である。
     したがって,刊行物6発明につき「水酸化マグネシウムの由来が不明」
と認定して,この点を本件発明1と刊行物6発明との相違点に挙げた決定の認定に
誤りはない。
    イ 前記(1)のとおり,決定の刊行物6発明の認定及び本件発明1と刊行物6
発明の一致点の認定に誤りはないから,本件発明1と刊行物6発明との相違点を,
「前者は,・・・表面処理剤を上記天然鉱物の粉砕物に対して0.5~5重量%添
加して表面処理を施したものであるのに対して,後者は,・・・表面処理剤を水酸
化マグネシウムに対して2重量%添加して表面処理を施したものである点。」(決
定謄本7頁第2段落)とした決定の認定に誤りはない。
本件発明1の「シランカップリング剤」には,何らの具体的な限定がな
く,刊行物6に記載された吸湿性の抑制に効果のある具体的な「シランカップリン
グ剤」をも含むことは明らかであるから,本件発明1と刊行物6発明との「シラン
カップリング剤」に相違のないことも既に述べたとおりであり,決定にこの点に関
する原告主張の相違点の看過はない。
 2 取消事由2(相違点についての判断の誤り)について
(1) 「耐酸性の向上」と「吸湿性の抑制」との関係について
   ア 刊行物1(甲2)には,「水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物
を粉砕し,・・・シランカップリング剤・・・を主成分とする表面処理剤で表面処
理を施した後,プラスチック又はゴムに添加し,難燃性を付与すると共に耐酸性を
向上せしめたことを特徴とする難燃性組成物」(請求項1)に関し,「従来より使
用されている・・・海水中のマグネシウムを原料とするもの・・・を難燃性として
使用した難燃性組成物は,高湿度空気中に放置すると,材料表面に空気中の炭酸ガ
スと水酸化マグネシウムが反応した炭酸マグネシウムが析出したり,酸性溶液中に
浸漬すると水酸化マグネシウムが溶出して耐酸性に劣るという問題があった。」
(段落【0003】)こと,耐炭酸ガス性は,「短冊状試料を・・・湿度90%以
上のデシケーター中に炭酸ガスを200cc/分の割合で流し込み,48時間の重
量変化を測定した」(段落【0008】前半)ことにより評価したこと,「天然鉱
物の水酸化マグネシウムを使用した実施例1~3(注,実施例2はシランカップリ
ング剤で表面処理した水酸化マグネシウムDを使用したもの)は,重量増加が1.
0~1.2wt%と小さく,表面への白色物析出割合も少量であった。
」(段落【0008】)ことが記載されている。
     上記記載からすれば,刊行物1記載の「耐酸性」は,「耐炭酸ガス性」
及び「耐酸性溶液性」を意味するものであり,「耐酸性」の一態様である「耐炭酸
ガス性」が,高湿度空気中で材料表面に空気中の炭酸ガスと水酸化マグネシウムが
反応した炭酸マグネシウムが析出することを抑制することであることも明らかであ
る。そして,刊行物1には天然鉱物を原料とした水酸化マグネシウムが耐酸性に優
れていることが見いだされたと記載されているが,それでも表面処理剤により表面
処理を施して耐酸性の改善を図っているのであるから,天然鉱物を原料とした水酸
化マグネシウムにおいても高湿度空気中で材料表面に空気中の炭酸ガスと水酸化マ
グネシウムが反応した炭酸マグネシウムが析出する現象が起きるのであり,「耐酸
性の向上」を図るためには,それを抑制する手段が必要であることは明らかであ
る。
     ところで,高湿度空気中で材料表面に空気中の炭酸ガスと水酸化マグネ
シウムが反応した炭酸マグネシウムが析出する現象が,水酸化マグネシウムが大気
中の二酸化酸素及び水分と反応し,生成した白色の炭酸マグネシウムが材料表面に
析出する「白化」と呼ばれる現象であることは,当業者において周知の事項であ
る。そして,この現象は,通常の空気中では起こらず,高湿度空気中で初めて起き
るのであるが,空気中の炭酸ガス量自体に変化はないのであるから,水分の増加が
その主原因であることは明らかである。したがって,これを防止するためには,水
分の増加を防ぐこと,すなわち,水酸化マグシウムと水分との接触を減少させるこ
とが最も有効であり,かつ現実的な手段である。そうであるからこそ,「白化」の
発現を防止するために,水酸化マグネシウムに水分との接触を断つ保護コーティン
グや撥水性コーティングを施すこと,すなわち,「吸湿性の抑制」手段を採ること
が通常行われているのである。
     すなわち,「耐酸性の向上」の一態様である「耐炭酸ガス性の向上」と
は,水酸化マグネシウムと炭酸ガスとが,水分を必須として反応生成する炭酸マグ
ネシウム(白色物)の析出を抑制することであり,その析出の抑制ために,通常
は,析出に必須である水酸化マグネシウムへの水分の吸着の抑制手段が採られてい
るのであり,これは,とりもなおさず,「耐湿性の向上」手段ともいえるものであ
る。そうであれば,当業者において,刊行物6記載の「耐酸性の向上」を「吸湿性
の抑制」と同義として理解することは当然である。
     したがって,刊行物1記載の「耐酸性の向上」とは「吸湿性の抑制」と
も言い換えることができるとした決定の判断に何ら誤りはない。
   イ 甲7の実験レポートの表1には,天然鉱物由来であり,表面処理が乾式
法によるものであるサンプルにおいては,48時間後の耐炭酸ガス性のデータにお
いて,湿式法によるものであるサンプルより重量変化で0.1%少ないこと,すな
わち,若干耐酸性に優れていることが記載されており,また,同レポートの図1に
は,吸湿性に関しても,乾式表面処理品が湿式表面処理品を上回っていることが示
されているから,同レポートの内容は,「耐酸性(耐炭酸ガス性)の向上」を「吸
湿性の抑制」と言い換えてよいとする被告の主張と矛盾するものではない。
     また,甲8の実験レポートの図1からは,合成品の水酸化マグネシウム
においても,乾式表面処理物が湿式表面処理物よりも,吸湿性の抑制において若干
上回っていることが見て取れ,同レポートの図2は甲7の実験レポートの図1と同
じ結果を示すものである(なお,上記図1と図2は実験条件が異なるから,吸湿性
を表すパラメータが異なる。)から,甲8の実験レポートは,上記合成品も天然鉱
物由来の水酸化マグネシウムと同様に乾式法による表面処理の方が湿式法による表
面処理より吸湿性の抑制に効果があることを単に示すものであるにすぎない。
     したがって,これらの記載から,「耐酸性の向上」が「吸湿性の抑制」
と関係がないとか,「吸湿性の抑制」において,天然鉱物由来の水酸化マグネシウ
ムが合成品の水酸化マグネシウムとは全く違った挙動を示すなどということはでき
ない。
     また,甲7,8の各実験レポートにおいて,天然水酸化マグネシウムの
サンプルとして,乾式法による表面処理の場合は,本件訂正明細書(甲4添付)の
段落【0007】欄の記載とおり,スーパーミキサー内でオレイン酸により表面処
理を行った物を用いているのに対し,湿式法による表面処理の場合は,特開平1-
294792号公報の記載内容に基づき工業的に製造したもので,水澤化学工業株
式会社により提供を受けた(表面処理剤はオレイン酸アンモニウム塩かアミン塩か
不明)物を用いており,両者はその原料,表面処理剤等を異にしており,その性状
の差異が,単純に表面処理法の差異のみによるとはいえないし,甲8の実験レポー
トにおいては合成水酸化マグネシウムと天然水酸化マグネシウムとはその吸湿性の
測定方法も異なっており,これらを同一に論ずることはできない。
     さらに,甲7,8の実験レポートは,本件特許に係る請求項1に記載さ
れた表面処理剤である「脂肪酸,脂肪酸金属塩,シランカップリング剤,チタネー
トカップリング剤」のうちのオレイン酸(オレイン酸アンモニウム)を使用した1
例を示しているにすぎない。表面処理剤は,その種類によって性質が異なるもので
あり(例えば,刊行物6記載の比較例2と3では,シランカップリング剤が異なる
ことによって耐湿性が大きく異なっている。),オレイン酸(アンモニウム)の例
をもって本件特許に係る請求項1に記載されたすべての表面処理剤において同様な
効果を奏すると認めることはできない。
  (2) 刊行物6発明に基づく容易想到性について
   ア 課題の共通性
     刊行物6記載の実施例1ないし4及び比較例2に基づいて認定した刊行
物6発明は,難燃性を付与するとともに吸湿性を抑えるものであるから,「吸湿性
の抑制」をも課題とするものである。
     これに対して,刊行物1には,「耐酸性の向上」という課題を解決する
ために天然鉱物由来の水酸化マグネシウムを使用することが開示されているが,上
記(1)のとおり,刊行物1記載の「耐酸性の向上」は「吸湿性の抑制」とも言い換え
ることができるから,刊行物1には,「吸湿性の抑制」という課題を解決する手段
として天然鉱物由来の水酸化マグネシウムを使用することが記載されているという
ことができる。
     そうすると,刊行物6発明と刊行物1発明との課題は「吸湿性の抑制」
という点で共通するといえるから,刊行物6発明において,同課題を解決するため
の手段として,由来不明の水酸化マグネシウムに換えて,刊行物1記載の天然鉱物
由来の水酸化マグネシウムを使用してみることは,当業者が容易に想到し得たこと
ということができる。
     なお,刊行物6には,水酸化マグネシウムについて格別な限定を付す記
載はないのであるから,課題の共通性を論ずるまでもなく,刊行物6の水酸化マグ
ネシウムに刊行物1に記載された天然鉱物を粉砕した水酸化マグネシウムを適用す
ることは当業者が適宜行う事項であり,その耐湿性の抑制という効果は,刊行物6
においてもともと得られている効果にすぎない。
イ シランカップリング剤
     刊行物6発明は,特定のシランカップリング剤の併用又は単独使用によ
る表面処理を水酸化マグネシウムに施すことにより,「吸湿性の抑制」という効果
を奏するものであるが,刊行物1記載の水酸化マグネシウムの表面処理剤(シラン
カップリング剤を含む。)も,「耐酸性の向上」,言い換えれば「吸湿性の抑制」
を目的として選択されたものであるから,刊行物1記載の表面処理剤は,刊行物6
発明に使用される特定のシランカップリング剤の併用物又は単独物を排除するもの
ではないし,また,天然鉱物由来の水酸化マグネシウムにはそれら特定のシランカ
ップリング剤を使用することができないとする特段の理由も証拠もない。
     したがって,刊行物6発明における特定のシランカップリング剤と,刊
行物1記載の特定されないシランカップリング剤とを結びつけることができないと
する原告の主張は当を得たものではない。
ウ 表面処理の方式
     原告は,刊行物6発明における乾式法による表面処理は天然鉱物由来で
ない水酸化マグネシウムに対する単なる一例であって,天然鉱物由来の水酸化マグ
ネシウムにおける乾式法による表面処理が,「吸湿性の抑制」に関して湿式法によ
る表面処理に優越することは予想外であったから,本件発明1における乾式法によ
る表面処理の優位性を刊行物6の記載から導くことはできなかった旨主張してい
る。
     しかしながら,刊行物6発明の由来不明の水酸化マグネシウムを天然鉱
物由来の水酸化マグネシウムに置き換えることの容易想到性は,上記のとおりであ
る。そして,無機材料のシランカップリング剤による表面処理の方式として,乾式
も湿式も広く知られていた方法であるにすぎず,しかも,天然鉱物由来の水酸化マ
グネシウムには乾式表面処理をすることができないという理由も証拠もない。
     また,原告は,乾式法で表面処理した方が湿式法で表面処理した場合よ
りも吸湿性を抑えるのに顕著な効果があると主張するが,このようなことは本件訂
正明細書には記載されていない事項であるし,甲7,8の実験レポートについて
は,上述したとおり,原告主張の効果を示すものとはいえない。
     したがって,上記水酸化マグネシウムの置き換えに際し,刊行物6発明
において採用されている周知の乾式表面処理をそのまま採用して本件発明1の構成
とすることに,当業者が格別の創作力を要したとはいえないし,乾式法による表面
処理を採用したことによる「吸湿性の抑制」の効果についても,刊行物6発明がも
ともと「吸湿性の抑制」を課題としているのであるから,そこから予測できない格
別のものということもできない。
   エ 表面処理剤の添加割合
     水酸化マグネシウムの由来の相違によって,「吸湿性の抑制」に適する
水酸化マグネシウムへの表面処理剤の添加割合が異なることは一応考えられるが,
刊行物6発明の水酸化マグネシウムを刊行物1記載の天然鉱物由来の水酸化マグネ
シウムに置き換える際には,まず,刊行物6に記載された条件に基づいて実験して
みることが,ごく普通の手順であるといえる。
     そこで,刊行物6に記載された「水酸化マグネシウム1.1kgに対
し,表面処理剤22g」なる添加割合について検討すると,「水酸化マグネシウ
ム」が「純粋な水酸化マグネシウム」の意味である場合は,純粋な水酸化マグネシ
ウムに対して2重量%であり,「水酸化マグネシウムを主成分とするもの」を意味
する場合には,例えば,甲6(神島化学工業株式会社のホームページ写し)に示さ
れたマグシーズN-3,N-4,S-3,S-4の品質特性例を参照すると,純粋
な水酸化マグネシウムに対する換算量は22g/(1100×0.655~0.6
73)g=約3.0~3.1重量%である。
     これに対して,本件発明1における表面処理剤の添加範囲は,天然鉱物
(水酸化マグネシウムを主成分とするもの)に対して0.5~5重量%であり,こ
れは,例えば上記甲6記載の天然鉱物由来であるマグシーズN-1の水酸化マグネ
シウム含有量に基づいて換算すると,純粋な水酸化マグネシウムに対して(0.5
~5)/0.614=約0.81~8.1重量%に相当するから,刊行物6発明の
水酸化マグネシウムを上記のいずれの場合に解したとしても,本件発明1における
天然鉱物(水酸化マグネシウムを主成分とするもの)に対する表面処理剤の添加割
合は,刊行物6発明における水酸化マグネシウムに対する表面処理剤の添加割合と
実質的に同程度であるか,又はその添加割合を含む範囲内であるということができ
る。
     そうすると,本件発明1における表面処理剤の添加割合は,刊行物6発
明と同程度であるか,又は刊行物6の記載に基づいて当業者が実験的に容易に求め
得る範囲内であるといえるから,そのような添加割合の設定は単なる設計的事項の
域を出ないものである。
オ 以上によれば,相違点に係る本件発明1の構成は,刊行物1,6に記載
された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきであ
る。
第5 当裁判所の判断
1 取消事由1(一致点・相違点の認定の誤り)について
原告は,本件発明1と刊行物6発明との一致点及び相違点についての決定の
認定には誤りがあると主張するので,以下検討する。
(1) 一致点の認定について
ア 刊行物6(甲3)には,以下の記載がある。
    (ア) 「ポリオレフィン100重量部に対し,ビニル基又はポリスルフィ
ド結合を有するシランカップリング剤及びアルキルアルコキシシランカップリング
剤で表面処理した金属水酸化物を50~300重量部含有し,これを架橋したこと
を特徴とする難燃性電気絶縁組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)
    (イ) 「金属水酸化物としては,・・・水酸化マグネシウム・・・等が挙
げられる。」(段落【0010】) 
  (ウ) 「金属酸化物(「金属水酸化物」の誤記と認める。)へのカップリ
ング剤の表面処理としては,ヘンシェルミキサ等による乾式法及びスラリ中で行う
湿式法が代表的である。」(段落【0016】)
  (エ) 「【実施例】・・・表1の実施例1~4および比較例1~3の各欄
に示すような配合に従って各種成分(但し,水酸化マグネシウムは,平均粒径1μ
mの水酸化マグネシウム1.1kgに対し,表面処理剤22gをビニルエトキシシ
ラン系ではエチルアルコール100g,ポリスルフィド系ではトルエン100g中
に加えて調整液とし,これをヘンシェルミキサ中で水酸化マグネシウムに噴霧
し,・・・撹拌して表面処理し,その後,これを・・・乾燥したものを用いた。)
を,・・・混練し,・・・銅線上に・・・押出被覆し・・・架橋絶縁電線を作製し
た。・・・このように作製した電線(試料)の評価を引張特性,絶縁抵抗及び難燃
性について行い,その結果を表1の下欄に示す。各評価方法は次の通りであ
る。・・・絶縁抵抗:・・・初期の絶縁抵抗を測定した。その後,これを75℃水
中に浸漬し,600V,60Hzの条件下で30日間浸水課電し,30日経過後7
5℃で絶縁抵抗を測定した。・・・表1からも明らかな通り,本発明の難燃性電気
絶縁組成物を用いた実施例1~4の場合では,いずれも引張特性,難燃性に優れ,
30日浸水によっても絶縁抵抗は実用上十分な値を示している。・・・」(段落【0
022】~【0029】)
イ 上記記載によれば,刊行物6には,「水酸化マグネシウムにビニル基又
はポリスルフィド結合を有するシランカップリング剤及びアルキルアルコキシシラ
ンカップリング剤を成分とする表面処理剤を,水酸化マグネシウム1.1kgに対
して22g,すなわち,2重量%添加して表面処理(ただし湿式表面処理を除く)
を施してプラスチックに添加し,難燃性を付与するとともに吸湿性を抑えた難燃性
組成物の発明」が記載されているということができる。一方,本件発明1は,「水
酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し,脂肪酸,脂肪酸金属塩,シラ
ンカップリング剤,チタネートカップリング剤より選ばれた少なくとも1種類を主
成分とする表面処理剤を,上記天然鉱物に対して0.5~5重量%添加して表面処
理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチック又はゴムに添加し難燃性を
付与するとともに吸湿性を抑えたことを特徴とする難燃性組成物」(本件訂正明細
書の特許請求の範囲の請求項1)であるから,本件発明1と刊行物6発明とは,
「広い意味での水酸化マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処
理剤を添加して表面処理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチックに添
加し,難燃性を付与するとともに吸湿性を抑えた難燃性組成物」である点で一致す
るということができ,決定の一致点についての認定もこれと趣旨を同じくするもの
と解される。
ウ 原告は,本件発明1は,飽くまで「水酸化マグネシウムを主成分とする
天然鉱物を粉砕」したものに表面処理剤を添加して表面処理を施してプラスチック
等に添加するものであり,水酸化マグネシウムそれ自体に表面処理剤を添加して表
面処理を施してプラスチック等に添加するものではないから,厳密な意味で「水酸
化マグネシウムに・・・難燃性組成物。」ではなく,上記一致点の認定は誤りであ
ると主張する。
     しかしながら,水酸化マグネシウムのような物質名は,広義において
は,「純粋なその物質」以外にも,「主成分がその物質であるもの」を表記するた
めに用いられるのが通常であるから,本件発明1の,厳密には「水酸化マグネシウ
ムを主成分とするもの」を広い意味での「水酸化マグネシウム」と表すことを誤り
であるということはできない。
 また,刊行物6発明は,水酸化マグネシウムに,ビニル基又はポリスル
フィド結合を有するシランカップリング剤及びアルキルアルコキシシランカップリ
ング剤の両方を表面処理剤として添加して表面処理を施してプラスチックに添加す
ることにより,初めて浸水後の絶縁抵抗の著しい低下を防げるのであり,「水酸化
マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処理剤を添加して表面処
理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチックに添加し」ただけで,当然
に浸水後の絶縁抵抗の著しい低下を防げるものではなく,上記一致点の認定は誤り
であると主張する。
     しかしながら,刊行物6(甲3)には,実施例1ないし4では,水酸化
マグネシウムの表面処理剤として「ビニルエトキシシラン/メチルトリメトキシシ
ラン=60/40」(実施例1,2),「ポリスルフィド系シラン/フェニルトリ
エトキシシラン=50/50」(実施例3,4)が採用されていることが記載され
ている(段落【0028】の表1の注記)ところ,上記の表面処理剤はいずれも
「シランカップリング剤」に属するものであるから,本件発明1と刊行物6発明の
一致点を「水酸化マグネシウムにシランカップリング剤を主成分とする表面処理剤
を添加して表面処理(ただし湿式表面処理を除く)を施してプラスチックに添加
し」とした決定の認定に誤りはない。
決定の一致点の認定に誤りがあるとする原告の主張は採用することがで
きない。
(2) 相違点の認定について
ア 原告は,本件発明1と刊行物6発明の相違点に関し,決定は刊行物6記
載の水酸化マグネシウムの由来が不明であるというが,刊行物6記載の水酸化マグ
ネシウムは,天然鉱物を粉砕したものではないことは明らかであるから,両発明
は,本件発明1が,水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものに
表面処理剤を添加するのに対し,刊行物6発明は,飽くまで天然鉱物を粉砕したも
のではない水酸化マグネシウムそれ自体に表面処理剤を添加するものである点で相
違すると認定すべきであると主張する。
     そこで検討するに,刊行物6には,水酸化マグネシウムの由来が明示的
には記載されていないが,刊行物6記載の実施例1ないし4においては,刊行物6
発明に係る難燃性組成物を構成する水酸化マグネシウムには平均粒径が1μmのも
のを用いるとされているところ,甲5(昭和興産株式会社のホームページ写し)及
び甲6(神島化学工業株式会社のホームページ写し)によれば,上記の平均粒径は
合成品の天然マグネシムの粒径とほぼ符合すること,天然の水酸化マグネシウムを
粉砕した物はそれよりも平均粒径が大きく,粗大粒子もあることが認められ,した
がって,刊行物6発明における水酸化マグネシウムは天燃鉱物由来のものではない
蓋然性が高いこと(被告もこの点を自認している。),本件訂正明細書(甲4添
付)には,「従来から使用されている水酸化マグネシウムは,海水中のマグネシウ
ムを原料とするものである。」(段落【0003】)との記載があることからすれ
ば,刊行物6記載の水酸化マグネシウムは天燃鉱物を粉砕したものではないものと
解するのが相当である。
そうすると,「本件発明1は,水酸化マグネシウムが,『水酸化マグネ
シウムを主成分とする天然鉱物を粉砕』して得た『主成分が水酸化マグネシウムで
ある粉砕物』であって,表面処理剤を上記天然鉱物の粉砕物に対して0.5~5重
量%添加して表面処理を施したものであるのに対して,刊行物6発明は,水酸化マ
グネシウムの由来が不明であり,表面処理剤を水酸化マグネシウムに対して2重量
%添加して表面処理を施したものである点」を相違点とした決定の認定は,「刊行
物6発明の水酸化マグネシウムの由来が不明である」とした点で適切を欠くという
べきである。
しかしながら,決定は,本件発明1の水酸化マグネシウムと刊行物6発
明の水酸化マグネシウムが相違するものであることを前提に,その相違点に係る本
件発明1の構成の容易想到性について判断をしているから,上記一致点の認定にお
ける不適切さは決定の結論に影響を及ぼすものではないというべきである。
イ 原告は,本件発明1と刊行物6発明は,本件発明1が,表面処理剤とし
てシランカップリング剤等のうち少なくとも1種を主成分とするものを添加してそ
の目的(吸湿性を抑制した難燃性組成物を得ること)を達成するのに対し,刊行物
6発明は,表面処理剤としてシランカップリング剤とアルキルアルコキシシランカ
ップリング剤を併用したものを添加して初めてその目的を達成でき,表面処理剤と
してシランカップリング剤を添加するだけはその目的を達成できないという点でも
相違するものであり,決定はこの相違点を看過していると主張する。
しかしながら,本件発明1に係るシランカップリング剤には何らの限定
もなく,上記(1)ウのとおり,刊行物6(甲3)に記載された「ビニルエトキシシラ
ン/メチルトリメトキシシラン=60/40」(実施例1,2),「ポリスルフィ
ド系シラン/フェニルトリエトキシシラン=50/50」(実施例3,4)が本件
発明1に係るシランカップリング剤に含まれることは明らかであり,また,天然鉱
物由来の水酸化マグネシウムにはそれら特定のシランカップリング剤を使用するこ
とができないとする特段の事情を認めるに足りる証拠もないから,決定に原告主張
の相違点を看過した違法があるということはできない。
2 取消事由2(相違点についての判断の誤り)について
次に,原告は,相違点に係る本件発明1の構成は当業者において容易に想到
し得たものであるとした決定の判断は誤りであると主張するので,以下検討する。
 (1) 「耐酸性の向上」について
ア 特開平3-215540号公報(乙2),特開平2-145633号公
報(乙3),特開昭63-279506号公報(乙4)及び特開平2-20663
2号公報(乙5)には,ポリオレフィンに水酸化マグネシウムを配合した難燃性組
成物は,大気中で高湿度の環境のもとに置くと,組成物を構成する水酸化マグネシ
ウムが大気中の二酸化炭素(炭酸ガス)と反応し白く粉を吹く現象,すなわち,固
体の水酸化マグネシウムが高湿度の環境のもとで二酸化炭素を吸収し,ヒドロオキ
シ炭酸マグネシウム(MgCO3・Mg(OH)2 )を生ずる「白化」の現象が発
現することが記載され,また,上記各刊行物には,この「白化」の発現を防止する
ための方法として,ポリオレフィン系樹脂組成物に配合する水酸化マグネシウムに
つきステアリン酸系表面処理剤で表面処理を施すこと(乙2),オレフィン系樹脂
に水酸化マグネシウムを配合した難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物に,水素添加
スチレン-ブタジエンブロックコポリマーを配合すること(乙3),難燃ケーブル
を構成する難燃組成物に配合される水酸化マグネシウムの表面にセラミックコーテ
ィングを施すこと(乙4),あるいは難燃性オレフィン重合体樹脂組成物に配合さ
れる水酸化マグネシウムの表面にふっそ系エラストマーによってコーティングを行
うこと(乙5)の各技術事項が開示されている。
   イ 刊行物1(甲2)には次の記載がある。
    (ア) 「水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し,脂肪酸,
脂肪酸金属塩,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤より選ばれた少
くとも1種を主成分とする表面処理剤で表面処理を施した後,プラスチック又はゴ
ムに添加し,難燃性を付与すると共に耐酸性を向上せしめたことを特徴とする難燃
性組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)
  (イ) 「【従来技術及び発明が解決しようとする課題】・・・従来より使
用されている水酸化マグネシウムは,海水中のマグネシウムを原料とするものであ
り,これを難燃性として使用した難燃性組成物は,高湿度空気中に放置すると,材
料表面に空気中の炭酸ガスと水酸化マグネシウムが反応した炭酸マグネシウムが析
出したり,酸性溶液中に浸漬すると水酸化マグネシウムが溶出して耐酸性に劣ると
いう問題があった。」(段落【0002】,【0003】)
(ウ) 「【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を解消し耐
酸性を向上せしめた難燃性組成物を提供するもので,その特徴は,水酸化マグネシ
ウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し,脂肪酸,脂肪酸金属塩,シランカップリン
グ剤,チタネートカップリング剤より選ばれた少なくとも1種を主成分とする表面
処理剤で表面処理を施した後,プラスチック又はゴムに添加し,難燃性を付与する
と共に,耐酸性を向上せしめた難然性組成物にある。」(段落【0004】
  (エ) 「【作用】上述の問題を解決するため,種々の水酸化マグネシウム
を用い検討を行なったところ,水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を原料
とした水酸化マグネシウムが耐酸性にすぐれていることを見出した。このメカニズ
ムに関しては不明であるが,結晶構造等が従来品と異なっているためではないかと
思われる。」(段落【0005】)
  (オ) 「表1に示す各種材料を6インチオープンロールで15分混練した
後,約1mm厚×13cm幅×17cm長さのシートに約160℃×10分加圧成
形してシートを作成した。このシートを用いて耐炭酸ガス性及び耐塩酸性を評価し
た。結果は表1(注,本判決別紙のとおり)の通りである。」(段落【000
6】)
(カ) 「耐炭酸ガス性:試料として厚1mm×幅2cm×長さ13mmの
短冊状試料を上述のシートより打ち抜き,湿度90%以上のデシケーター中に炭酸
ガスを200cc/分の割合で流し込み,48時間の重量変化を測定した。比較例
1,2に示す従来の水酸化マグネシウムを使用したものは,重量増加が1.5~2
wt%と大きく,表面に炭酸マグネシウムの白色結晶が多量析出しているのに対
し,天然鉱物の水酸化マグネシウムを使用した実施例1~3は,重量増加が1.0
~1.2wt%と小さく,表面への白色物析出割合も少量であった。」(段落【0
008】)
ウ 上記認定の刊行物1の記載によれば,刊行物1発明は,海水中のマグネ
シウムを原料とする従来の水酸化マグネシウムを配合した難燃性組成物が,高湿度
空気中に放置すると,材料表面に空気中の炭酸ガスと水酸化マグネシウムが反応し
た炭酸マグネシウムが析出したり,酸性溶液中に浸漬すると水酸化マグネシウムが
溶出して耐酸性に劣るという問題があったことにかんがみ,その問題を解決するた
め,水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕した物を使用することによ
り,「耐酸性の向上」を図ったものであり,決定の認定するとおり,「水酸化マグ
ネシウムを主成分とする天然鉱物を原料とし,粉砕」して得た「水酸化マグネシウ
ム」に表面処理を施したものは,難燃性組成物に難燃性を付与するとともに耐酸性
を向上させる添加剤として,本件特許出願当時,既に知られた事項であったと認め
ることができる。
(2) 「耐酸性の向上」と「吸湿性の抑制」との関係
   ア 上記(1)アのとおり,固体の水酸化マグネシウムが高湿度の環境のもとで
二酸化炭素を吸収し,ヒドロオキシ炭酸マグネシウム(MgCO3・Mg(OH)2
)を生ずる現象は,本件特許出願当時,「白化」の現象として当業者に周知の事項
であったと認められ,刊行物1の上記(1)イ(イ)の記載中,「高湿度空気中に放置す
ると,材料表面に空気中の炭酸ガスと水酸化マグネシウムが反応した炭酸マグネシ
ウムが析出したり」との部分は,この「白化」の現象を指しているものと認められ
る。そして,上記の「白化」の発現の仕組みからして,白化の発現には水分の存在
が不可欠であると解される。
イ 被告は,「白化」を防止するためには,水分の増加を防ぐこと,すなわ
ち,水酸化マグネシウムと水分との接触を減少させることが最も有効であり,かつ
現実的な手段であるとした上,「耐酸性の向上」の一つである「耐炭酸ガス性の向
上」とは,「水酸化マグネシウムと炭酸ガスとが,水分を必須として反応生成する
炭酸マグネシウム(白色物)の析出を抑制」することであり,通常,「炭酸マグネ
シウムの析出の抑制」のために,析出に必須である「水分」の吸着の抑制手段が採
られているのであり,これは,とりもなおさず,「耐湿性の向上」手段ともいえる
ものであり,「耐酸性の向上」は「吸湿性の抑制」と同義であると主張する。
     そこで検討するに,上記のとおり,従来の水酸化マグネシウムの「白
化」は,その反応の場を形成するために,水分の存在を不可欠とする現象であるか
ら,その発生の抑制手段の一つとして,水酸化マグネシウムと水分との接触を断つ
手段があり,具体的には,水酸化マグネシウムに対するコーティングであって,保
護コーティングや撥水性コーティング(乙4,5)がそれに当たると解される。そ
して,このようにして水酸化マグネシウムと水との接触が断たれることにより,
「耐湿性」が向上することも理解される。
     しかしながら,刊行物1記載の「耐酸性の向上」,すなわち従来の水酸
化マグネシウムと「水分のとの接触を断つこと」が「吸湿性の抑制」と言い換え得
るといえるためには,「白化」が,水酸化マグネシウムに吸湿性があり,その発生
に不可欠な水分を上記水酸化マグネシウムが吸収することに起因する現象といえる
ことが前提となるところ,刊行物1発明が,「白化」がその現象の発生に必要不可
欠の水分を水酸化マグネシウムが吸収する現象であるとの前提の下に,その吸湿性
を抑制することにより「白化」の発現を防止するという発想に基づくものでないこ
とは,上記(1)イの刊行物1の記載から明らかであり,本件に現れたその他の証拠中
にも,「白化」がそのような現象であることを示唆する記載はない。むしろ,「白
化」の析出物がヒドロオキシ炭酸マグネシウム(MgCO3・Mg(OH)2 )で
あることからすれば,「白化」の発現に際しては,水分が存在する環境のもとで従
来の水酸化マグネシウムが空気中の二酸化炭素を吸収する過程が存在するだけで,
上記水酸化マグネシウムが水分を吸収する過程が含まれているわけではないから,
「白化」の発現を防止するために,上記水酸化マグネシウムを水分が存在する環境
にさらされないようにすることは必須であるものの,上記水酸化マグネシウムが吸
湿性を有するとしても,その吸湿性を抑制する必要があるとまでいい得る根拠はな
く,したがって,上記水酸化マグネシウムに対するコーティングによる「耐酸性の
向上」も,水酸化マグネシウムの吸湿性が抑制されることによるものであるとまで
断定することはできない。
ウ これを要するに,刊行物1発明は,証拠(乙2ないし5)に開示され
た,水酸化マグネシウムと水分との接触を断つ手段を採用することによって「耐酸
性の向上」を図るという従来の技術的思想に沿ったものではなく,たとえ「水分と
の接触」がある環境下に置かれても,「白化」し難い特性を備えた水酸化マグネシ
ウムとして,水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を用いることを
発見し,これを課題解決手段として採用することによって「耐酸性の向上」を図っ
た発明であると解されるのであって,刊行物1には,上記天然鉱物の粉砕物が「吸
湿性の抑制」の性質を有することについて示唆する記載は何ら存在しない。
     かえって,原告従業員A作成の「水酸化マグネシウム(天然品,合成
品)の表面処理法の差による吸湿性比較検討」と題する実験レポート(甲16)に
よれば,「耐酸性の向上」の一態様として「耐炭酸ガス性の向上」が図られた刊行
物1発明であっても,必ずしも「吸湿性の抑制」効果が得られるものではないこと
が実験的にも示されている。
     すなわち,上記実験レポートの表1ないし3及び図1及び2によれば,
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものと,海水から合成した
従来の水酸化マグネシウムとを,それぞれ原料として採用し,ステアリン酸(脂肪
酸)2.7%の処理量で,乾式法又は湿式法により表面処理したもの50に対し
て,EVA樹脂100,酸化防止剤1,カーボン2,ステアリン酸亜鉛2.5の配
合割合となるように調整した難燃性樹脂組成物について,その耐炭酸ガス性と吸湿
性を評価したところ,上記天然品における耐炭酸ガス性試験の結果からは,重量変
化が,乾式法によった場合で1.1%,湿式法によった場合で1.2%と表面処理
法の相違による差は小さく,いずれも,上記合成品における重量変化である,乾式
法によった場合の1.6,湿式法によった場合の1.5と比べて耐酸性は良好であ
ること(刊行物1に記載された内容と矛盾しない。)が認められるのに対し,吸湿
性試験の結果からは,168時間(1週間)経過後の体積抵抗値の変化量が,上記
天然品においては,乾式法によった場合で2.502E+15(=(3.35E+
15)-(8.48E+14)),湿式法によった場合で3.709E+15(=
(3.85E+15)-(1.41E+14)),上記合成品においては,乾式法
によった場合で3.513E+15(=(3.87E+15)-(3.57E+1
4)),湿式法によった場合で2.486E+15(=(2.74E+15)-
(2.54E+14))と,上記天然品の乾式法による表面処理が最も吸湿性を抑
制し,上記天然品であっても湿式法による表面処理では,上記合成品の湿式処理よ
りも吸湿性の抑制効果が小さい傾向が看取される。供試材は,上記天然品について
は刊行物1発明の構成要件を充足するものであるから,結局,刊行物1発明を充足
する態様であっても,その表面処理法が乾式法ではなく湿式法の場合,「耐酸性の
向上」を図ることはできても,「吸湿性の抑制」を図ることができるとは限らない
と認められる。
エ 以上検討したところからすれば,刊行物1記載の「耐酸性の向上」は,
「高湿度空気中の水分が誘起する炭酸ガスと水酸化マグネシウムの反応」を抑える
ことをも意味するとした決定の判断は相当であるが,刊行物1発明においては,
「炭酸マグネシウムの析出の抑制」のために,析出に必須である水分の吸着の抑制
手段が採られているとした上,「耐酸性の向上」は「吸湿性の抑制」と同義である
とする被告の主張は直ちに採用することができず,この点に関する決定の判断は誤
りというほかない。
(3) 決定は,「耐酸性の向上」を「吸湿性の抑制」と言い換えることができる
ということを前提として,刊行物6発明における水酸化マグネシウムも,難燃性を
付与するとともに吸湿性を抑えるものであるから,この水酸化マグネシウムを,難
燃性を付与するとともに,吸湿性を抑制することが公知であった刊行物1に記載の
「水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕」して得た「主成分が水酸化
マグネシウムである粉砕物」とすることは,当業者が容易に想到し得たことである
といえるとしたが,前示のとおり,「耐酸性の向上」を「吸湿性の抑制」と言い換
えることができるとの前提は成り立たないから,決定の上記判断はその前提を欠
き,誤りというべきである。
    そして,水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物が「吸湿性
の抑制」の性質を有することについて発見ないしこれを示唆するものがないのに,
「吸湿性の抑制の向上」を図る目的で,刊行物6発明における天然鉱物由来のもの
でない水酸化マグネシウムを上記天然鉱物の粉砕物に置き換えることは,当業者が
容易に想到できることとは直ちにいうことができない。
    被告は,刊行物6には,水酸化マグネシウムについて格別な限定を付す記
載はないのであるから,刊行物1発明と刊行物6発明の課題の共通性を論ずるまで
もなく,刊行物6の水酸化マグネシウムに刊行物1に記載された天然鉱物を粉砕し
た水酸化マグネシウムを適用することは当業者が適宜行う事項であると主張する
が,刊行物6発明における水酸化マグネシウムは天然鉱物由来の物でないことは,
上記1(2)アに説示したとおりであり,被告の主張はその前提を誤るものであって,
採用することができない。
 3 以上によれば,決定は相違点についての判断を誤り,ひいては本件特許が特
許法29条2項に違反してされたと誤って判断したものというべきであるから,原
告主張の取消事由2は理由があり,決定は違法として取消しを免れない。
  よって,原告の請求は理由があるから認容することとし,主文のとおり判決
する。
  知的財産高等裁判所第1部
   裁判長裁判官     篠  原  勝  美
 裁判官     青  栁     馨
        裁判官    宍  戸     充
(別紙)
表1


不服2007-35524

【管理番号】第1185926号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-35524(D2007-35524/J1)
【審判請求日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【確定日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審決分類】
D18  .4  -WY (L2-2)
【請求人】
【氏名又は名称】草竹 杉晃
【住所又は居所】奈良県奈良市南京終町1丁目107番地
【事件の表示】
 意願2006- 10734「護岸用ブロック」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、平成18年 3月28日の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【審判長】 【特許庁審判官】瓜本 忠夫
【特許庁審判官】鍋田 和宣
【特許庁審判官】杉山 太一



(21)【出願番号】意願2006-10734(D2006-10734)
(22)【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
(54)【意匠に係る物品】護岸用ブロック
(52)【意匠分類】L2-22400
(11)【登録番号】意匠登録第1345289号(D1345289)
(15)(24)【登録日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】樫本 光司

不服2007-33488

【管理番号】第1185925号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-33488(D2007-33488/J1)
【審判請求日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【確定日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【審決分類】
D18  .113-WY (H7-4)
【請求人】
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩
【事件の表示】
 意願2006- 26910「携帯電話機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、平成18年10月 4日の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【審判長】 【特許庁審判官】瓜本 忠夫
【特許庁審判官】鍋田 和宣
【特許庁審判官】杉山 太一



(21)【出願番号】意願2006-26910(D2006-26910)
(22)【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
(54)【意匠に係る物品】携帯電話機
(52)【意匠分類】H7-43
(11)【登録番号】意匠登録第1343946号(D1343946)
(15)(24)【登録日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】前畑 さおり、松尾 鷹久、内藤 弘樹


不服2007-23873

【管理番号】第1185935号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-23873(D2007-23873/J1)
【審判請求日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【確定日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【審決分類】
D18  .121-WY (H5-3)
【請求人】
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号
【事件の表示】
 意願2004- 40285「光ディスクプレーヤー」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする平成16年12月28日の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【審判長】 【特許庁審判官】関口 剛
【特許庁審判官】岩井 芳紀
【特許庁審判官】宮田 莊平



(21)【出願番号】意願2004-40285(D2004-40285)
(22)【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
(54)【意匠に係る物品】光ディスクプレーヤー
(52)【意匠分類】H5-30B
(11)【登録番号】意匠登録第1343842号(D1343842)
(15)(24)【登録日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】遠藤 行久


不服2007-16886

【管理番号】第1185910号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-16886(D2007-16886/J1)
【審判請求日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【確定日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【審決分類】
D18  .14 -WY (H3-3)
【請求人】
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【住所又は居所】大韓民国京畿道水原市靈通区梅灘洞416
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 文彦
【事件の表示】
 意願2004- 15382「携帯電話機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、平成16年 5月25日(パリ条約による優先権主張 2003年12月11日 (KR)大韓民国)の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【審判長】 【特許庁審判官】瓜本 忠夫
【特許庁審判官】鍋田 和宣
【特許庁審判官】杉山 太一



(21)【出願番号】意願2004-15382(D2004-15382)
(22)【出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
(31)【優先権主張番号】2003-35291
(32)【優先日】平成15年12月11日(2003.12.11)
(33)【優先権主張国又は機関】韓国(KR)
(54)【意匠に係る物品】携帯電話機
(52)【意匠分類】H3-30
(11)【登録番号】意匠登録第1344352号(D1344352)
(15)(24)【登録日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】藤澤 崇彦、橘 崇生、前畑 さおり

取消2008-300588

【管理番号】第1186115号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300588(T2008-300588/J2)
【審判請求日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【確定日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審決分類】
T131 .1  -Z  (Z09)
【請求人】
【氏名又は名称】インテル コーポレーション
【住所又は居所】アメリカ合衆国 95052-8119 カリフォルニア州 サンタ クララ ミッション カレッジ ブーレバード 2200
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中熊 眞由美
【被請求人】
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4185210号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4185210号商標の商標登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4185210号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【結審通知日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【審決日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【審判長】 【特許庁審判官】中村 謙三
【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】小林 由美子

(210)【出願番号】商願平9-119555
(220)【出願日】平成9年5月23日(1997.5.23)
(111)【登録番号】商標登録第4185210号(T4185210)
(151)【登録日】平成10年9月4日(1998.9.4)
(561)【商標の称呼】インテリンク、インテルインク、インテ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】中村 謙三


取消2008-300564

【管理番号】第1186044号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300564(T2008-300564/J2)
【審判請求日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【確定日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【審決分類】
T131 .1  -Z  (Y05)
【請求人】
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,ニューヨーク州,スケネクタディ,リバーロード,1番
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 和子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】井滝 裕敬
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤倉 大作
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】東谷 幸浩
【被請求人】
【氏名又は名称】大洋薬品工業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内2丁目16番29号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4669947号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4669947号商標の商標登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4669947号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び指定役務及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品及び指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【結審通知日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【審決日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【審判長】 【特許庁審判官】中村 謙三
【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】小林 由美子

(210)【出願番号】商願2002-29170(T2002-29170)
(220)【出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
(111)【登録番号】商標登録第4669947号(T4669947)
(151)【登録日】平成15年5月9日(2003.5.9)
(561)【商標の称呼】テイジイイイ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】大渕 敏雄、浦辺 淑絵


取消2008-300560

【管理番号】第1186043号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300560(T2008-300560/J2)
【審判請求日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【確定日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【審決分類】
T131 .1  -Z  (Y05)
【請求人】
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,ニューヨーク州,スケネクタディ,リバーロード,1番
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 和子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】井滝 裕敬
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤倉 大作
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】東谷 幸浩
【被請求人】
【氏名又は名称】大洋薬品工業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内2丁目16番29号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4669943号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4669943号商標の商標登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4669943号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び指定役務及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品及び指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【結審通知日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【審決日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【審判長】 【特許庁審判官】中村 謙三
【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】小林 由美子

(210)【出願番号】商願2002-29166(T2002-29166)
(220)【出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
(111)【登録番号】商標登録第4669943号(T4669943)
(151)【登録日】平成15年5月9日(2003.5.9)
(561)【商標の称呼】テイジイイイ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】大渕 敏雄、浦辺 淑絵


取消2008-300461

【管理番号】第1186162号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300461(T2008-300461/J2)
【審判請求日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【確定日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (005)
【請求人】
【氏名又は名称】グラクソ グループ リミテッド
【住所又は居所】イギリス ミドルセックス ユービー6 0エヌエヌ グリーンフォード バークレー アベニュー グラクソ ウェルカム ハウス
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 和子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】井滝 裕敬
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 ちあき
【被請求人】
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区墨田5丁目17番4号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第3021510号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第3021510号商標の指定商品中「薬剤」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第3021510号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【結審通知日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【審決日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【審判長】 【特許庁審判官】芦葉 松美
【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子

(210)【出願番号】商願平4-131505
(220)【出願日】平成4年6月26日(1992.6.26)
(260)【公告番号】商公平6-25776
(442)【公告日】平成6年5月11日(1994.5.11)
(111)【登録番号】商標登録第3021510号(T3021510)
(151)【登録日】平成7年1月31日(1995.1.31)
(561)【商標の称呼】パラカ
【最終処分】成立

取消2008-300445

【管理番号】第1186147号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300445(T2008-300445/J2)
【審判請求日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【確定日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Y16)
【請求人】
【氏名又は名称】吉田金属工業株式会社
【住所又は居所】新潟県燕市吉田下中野1447番地3
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥羽 みさを
【被請求人】
【氏名又は名称】有限会社中村美術工芸
【住所又は居所】京都府京都市上京区主税町1031―1
【被請求人】
【氏名又は名称】山口 広行
【住所又は居所】福井県今立郡今立町岩本5号15番地
【被請求人】
【氏名又は名称】飯島 真吾
【住所又は居所】京都府京都市中京区冷泉町68 大橋ハイツ203号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4837765号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4837765号商標の指定商品中「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4837765号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【結審通知日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【審決日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【審判長】 【特許庁審判官】芦葉 松美
【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子

(210)【出願番号】商願2004-62387(T2004-62387)
(220)【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
(111)【登録番号】商標登録第4837765号(T4837765)
(151)【登録日】平成17年2月4日(2005.2.4)
(561)【商標の称呼】ワショー、ワシオ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】加園 英明



取消2008-300290

【管理番号】第1186195号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300290(T2008-300290/J2)
【審判請求日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【確定日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (210)
【請求人】
【氏名又は名称】アトムメディカル株式会社
【住所又は居所】東京都文京区本郷3丁目18番15号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子
【被請求人】
【氏名又は名称】相模ゴム工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県厚木市元町2番1号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第0396499号の1の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結論】
 登録第0396499号の1の1商標の指定商品中、第10類「ゴム製臼歯」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理由】
1 本件商標
 本件登録第0396499号の1の1商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【結審通知日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【審決日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【審判長】 【特許庁審判官】井岡 賢一
【特許庁審判官】佐藤 達夫
【特許庁審判官】小川 きみえ

(210)【出願番号】商願昭24-17839
(220)【出願日】昭和24年10月12日(1949.10.12)
(260)【公告番号】商公昭25-13861
(442)【公告日】昭和25年9月27日(1950.9.27)
(111)【登録番号】商標登録第396499号の1の1(T396499-1-1)
(151)【登録日】昭和26年2月8日(1951.2.8)
(561)【商標の称呼】アトム
【最終処分】成立


取消2007-301461

【管理番号】第1186145号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2007-301461(T2007-301461/J2)
【審判請求日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【確定日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Z19)
【請求人】
【氏名又は名称】吉永 勝己
【住所又は居所】大阪府泉南郡熊取町若葉1―12―4
【被請求人】
【氏名又は名称】大伸産業株式会社 清算人 壬生 賢哉
【住所又は居所】北海道苫小牧市明野新町1丁目3番16号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4530907号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4530907号商標の指定商品中、第19類「土砂崩壊防止用植生板」については、その登録を取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4530907号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【結審通知日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【審決日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【審判長】 【特許庁審判官】林  二郎
【特許庁審判官】渡邉 健司
【特許庁審判官】鈴木  修

(210)【出願番号】商願2000-96214(T2000-96214)
(220)【出願日】平成12年9月1日(2000.9.1)
(111)【登録番号】商標登録第4530907号(T4530907)
(151)【登録日】平成13年12月21日(2001.12.21)
(561)【商標の称呼】エコグリーン、エコ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】小松 孝

不服2008-21038

【管理番号】第1186085号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-21038(T2008-21038/J1)
【審判請求日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【確定日】平成20年10月18日(2008.10.18)
【審決分類】
T18  .13 -WY (X21)
【請求人】
【氏名又は名称】合名会社関漆器店
【住所又は居所】福島県会津若松市中央1丁目4番12号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】本名 昭
【事件の表示】
 商願2007-120352拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「裏干支」の文字を標準文字として書してなり、第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年12月3日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における同20年6月27日付け手続補正書により、該手続補正書記載のとおりの指定商品に補正されたものである。
 
2 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、『裏干支』の文字を書してなるが、この文字は『暦法で、子ね・丑うし・寅とら・卯う・辰たつ・巳み・午うま・未ひつじ・申さる・酉とり・戌いぬ・亥いの称である干支について、自己の干支と正反対の位置にある干支』を指称する語として知られるものであり、上記『裏干支』の商品(縁起物)を所持することで幸福が訪れると伝承されている実情が認められることからすると、これをその指定商品、とりわけ『お守り』『おみくじ』等の商品に使用しても、単に商品の内容を表示したものとして認識されるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 
3 当審の判断
 本願商標は、前記1のとおり、「裏干支」の文字を標準文字として書してなるところ、たとえ、該「裏干支」の文字が、「自己の干支と正反対の位置にある干支」を指称する語として知られ、一般に「干支」が、縁起物として使用されることがあるとしても、本願指定商品との関係では、直ちに特定の商品の内容等を直接的かつ具体的に表示したものとはいえないものである。
 また、当審において調査するも、本願商標が、指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されていると認めるに足りる事実も発見できなかった。
 そうすると、本願商標は、これをその指定商品の何れの商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。
 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審判長】 【特許庁審判官】芦葉 松美
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】齋藤 貴博

(210)【出願番号】商願2007-120352(T2007-120352)
(220)【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】ウラエト、ウラカンシ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】吉野 晃弘

不服2008-1927

【管理番号】第1186017号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-1927(T2008-1927/J1)
【審判請求日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【確定日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【審決分類】
T18  .262-WY (Y2021242932)
【請求人】
【氏名又は名称】ザ カートゥーン ネットワーク,インコーポレイテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ジョージア州 アトランタ ノースウエスト テックウッド ドライブ 1050
【代理人】
【弁護士】
【氏名又は名称】加藤 義明
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
【事件の表示】
 商願2005-80237拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「HI HI PUFFY AMIYUMI」の文字を標準文字で表わしてなり、第3類、第14類、第20類、第21類、第24類、第29類及び第32類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年8月26日に登録出願され、指定商品については、原審における同18年7月31日付け、当審における、同20年1月24日付け及び同年9月25日付け提出の手続補正書により補正され、最終的に、第20類「コルク製栓,プラスチック製栓,プラスチック製ふた,木製栓,木製ふた,うちわ,せんす,額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻」、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,洋服ブラシ,ガラス製又は陶磁製の包装用容器」、第24類「シャワーカーテン」、第29類「乳製品,食用油脂」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,乳清飲料」となったものである。
 
2 引用商標
 原査定の拒絶理由において引用した登録商標は以下の(1)ないし(4)のとおりである。
(1)登録584457号商標は、「PUFFY」の欧文字と「パフィー」の片仮名文字を上下二段に表してなり、昭和35年4月19日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同37年4月10日に設定登録され、その後、4度に亘り、商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については平成14年8月28日に、第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。
 
(2)登録4282187号商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成8年10月21日に登録出願され、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同11年6月11日に設定登録されたものである。
 
(3)登録4282188号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成8年10月21日に登録出願され、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同11年6月11日に設定登録されたものである。
 
(4)登録4730990号商標は、「PAFFI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年5月23日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同年12月5日に設定登録されたものである。
 
(以下、これらを一括して「引用商標」という。)
 
3 当審の判断
 本願商標の指定商品は、上記1のとおり補正された結果、引用商標の指定商品とは類似しないものとなったと認められる。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【審判長】 【特許庁審判官】渡邉 健司
【特許庁審判官】杉山 和江
【特許庁審判官】馬場 秀敏

別掲1 登録第4282187号
 



 
別掲2 登録第4282188号
 



 

(210)【出願番号】商願2005-80237(T2005-80237)
(220)【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】ハイハイパフィーアミユミ、ハイハイパフィー、アミユミ、ハイハイ、パフィーアミユミ、パフィー
【最終処分】成立
【前審関与審査官】吉田 静子

不服2008-16825

【管理番号】第1186007号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-16825(T2008-16825/J1)
【審判請求日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【確定日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【審決分類】
T18  .13 -WY (Y30)
T18  .22 -WY (Y30)
【請求人】
【氏名又は名称】株式会社觀光堂
【住所又は居所】兵庫県西宮市中島町10番16号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
【事件の表示】
 商願2006-33098拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年4月12日に登録出願され、指定商品については、原審における同年12月25日付け提出の手続補正書において、第30類「菓子及びパン」に補正されたものである。
 
2 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、兵庫県西宮市の地名である『甲子園』を欧文字で表した『Koshien』の文字及び野球のボールの図形を書してなるところ、Koshien(甲子園)にはプロ野球阪神タイガースの根拠地であり、また、全国高校野球選手権大会(夏)・選抜高校野球大会(春)の開催地である甲子園球場があることからすれば、全体として、『甲子園、甲子園球場、甲子園球場で行われる野球』程を認識させるにとどまるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、『Koshien』の文字が、上記意味合いを想起させることから、出願人が、兵庫県西宮市に所在する法人であるとしても、『甲子園球場、甲子園球場で行われる野球の開催者、阪神タイガース球団』等と何等かの関係があるものとも認められない出願人に対し登録を認め独占使用を許すことは、公正な競業秩序を害するとともに、社会公共の利益に反するものであり、穏当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 
3 当審の判断
 本願商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、その構成中「Koshien」の文字は、例えば、「甲子園町」「甲子園一番町ないし甲子園九番町」「南甲子園」「上甲子園」「甲子園洲鳥町」「甲子園網引町」の如く、兵庫県西宮市の一地区を表す地名「甲子園」に通ずるものであり、球場名を表したものとは認められない。
 「Koshien」の文字が前記の地名を認識させるとしても、本願商標は、4つの葉脈状の図形等を有してなることから、これらの図形部分に自他商品の識別標識としての機能を有し、全体として商品の産地、販売地を表示するにとどまるということはできない。
 また、本願商標中には、「阪神」「球場」等の文字が含まれていないから、本願商標は、「甲子園球場、甲子園球場で行われる野球の開催者、阪神タイガース球団」を表したものとは認められない。してみれば、本願商標は、公正な競業秩序を害するとともに、社会公共の利益に反する商標ということはできない。
 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第7号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【審判長】 【特許庁審判官】渡邉 健司
【特許庁審判官】杉山 和江
【特許庁審判官】馬場 秀敏

別掲 本願商標
 



 

(210)【出願番号】商願2006-33098(T2006-33098)
(220)【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
(561)【商標の称呼】コーシエン、コシエン
【最終処分】成立
【前審関与審査官】保坂 金彦

不服2008-15563

【管理番号】第1186185号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-15563(T2008-15563/J1)
【審判請求日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【確定日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【審決分類】
T18  .26 -WY (X14)
【請求人】
【氏名又は名称】株式会社フィーゴ
【住所又は居所】東京都港区南青山6丁目11番9号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
【事件の表示】
 商願2007- 36623拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第14類「貴金属,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製靴飾り,時計」を指定商品として、平成19年3月30日に登録出願されたものである。
 
2 引用商標
 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4974664号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成17年10月4日登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として平成18年8月4日に設定登録されたものである。
 
3 当審の判断
 当審において商標登録出願人名義変更届が提出された結果、本願の請求人(出願人)は、原査定における引用商標の商標権者と同一人になったものである。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【審判長】 【特許庁審判官】内山 進
【特許庁審判官】井出 英一郎
【特許庁審判官】赤星 直昭

別掲1 (本願商標)



 
別掲2 (引用商標)



 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(210)【出願番号】商願2007-36623(T2007-36623)
(220)【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】石戸 拓郎、山田 忠司、平澤 芳行

不服2007-9398

【管理番号】第1186182号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-9398(T2007-9398/J1)
【審判請求日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【確定日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【審決分類】
T18  .13 -WY (Y41)
【請求人】
【氏名又は名称】株式会社エヌケービー
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番1号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 修
【事件の表示】
 商願2006- 55898拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「ペア碁」の文字を標準文字で表してなり、第41類「囲碁の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,放送番組の制作,囲碁の興行の企画・運営又は開催,興行場の座席の手配,図書の貸与,録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影」を指定役務として、平成18年6月15日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同年12月27日付け手続補正書により、第41類「囲碁の教授,囲碁の興行の企画・運営又は開催」に補正されたものである。
 
2 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、『ペアで行う碁のこと』を指称するものと容易に理解させる『ペア碁』の文字を標準文字で表してなるにすぎないものであるから、これを本願指定役務に使用しても、単に役務の質、内容を表示するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 
3 当審の判断
 本願商標は、前記1のとおり「ペア碁」の文字を書してなるところ、その構成前半の「ペア」の文字が「1対。(男女)二人から成る一組。」を意味し、構成後半の「碁」の文字が、「二人相対し、361の目を盛った盤上に交互に一つずつ黒・白の碁石を並べ、地を広く占めた方を勝ちとする遊戯。中国から伝来。囲碁。」(いずれも広辞苑第五版)を意味する語であり、これらの文字を結合してなる「ペア碁」から、原審説示の如き意味合いを暗示させる場合があるとしても、これが、直ちに、特定の役務の質等を具体的に表示するものとして理解されるものとはいい難いものである。
 そして、当審において職権により調査すると、本願商標「ペア碁」については、「ペア碁大会の開催やペア碁による国際交流を推進し、ペア碁の普及を図ることにより、囲碁の一層の普及に努め、もって我が国の健全な国民娯楽の向上に寄与すること」を目的として、平成6年5月24日に設立された「財団法人日本ペア碁協会(旧名称 財団法人日本ペア囲碁協会)」(以下「協会」という。)が、その事業(1.ペア碁の国内及び国際競技大会の開催 2.ペア碁に関する国際文化交流 3.ペア碁の講習会等の開催 4.ペア碁に関する調査研究及び棋力の認定 5.ペア碁の普及に貢献した団体等の顕彰及び助成 6.機関誌等の出版物の発行 7.その他目的を達成するために必要な事業)を通じ、普及させたものと認められる。
 しかしながら、「ペア碁」の語が、本願指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表すものとして、取引上普通一般に使用されている事実は発見することができなかった。
 そうとすると、本願商標は、特定の役務の質を具体的に表示するものとはいえず、構成全体をもって一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが相当である。
 してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 なお、平成20年9月8日付け手続補足書に添付された「承諾書」によれば、請求人(出願人)が、本願商標「ペア碁」の商標権を取得することについて、前記協会の承諾を得ていることが認められる。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【審判長】 【特許庁審判官】井岡 賢一
【特許庁審判官】小川 きみえ
【特許庁審判官】豊田 純一

(210)【出願番号】商願2006-55898(T2006-55898)
(220)【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】ペアゴ、ペア
【最終処分】成立
【前審関与審査官】板谷 玲子

不服2007-4348

【管理番号】第1186125号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-4348(T2007-4348/J1)
【審判請求日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【確定日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【審決分類】
T18  .26 -WY (Y0918)
T18  .91 -WY (Y0918)
【請求人】
【氏名又は名称】ブリッグス アンド ライリー トラベルウェア リミテッド ライアビリティ カンパニー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ハーパーグ ワイヤレス ブルバード 400
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】村橋 史雄
【事件の表示】
 商願2005- 61953拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「BASELINE」の文字を標準文字として書してなり、第18類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年7月6日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審における同19年4月13日付け及び同20年9月10日付け手続補正書により、最終的に、同20年9月10日付け手続補正書記載のとおりの第9類及び第18類に属する指定商品に補正されたものである。
 
2 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定において、以下の(1)ないし(3)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、登録第2345401号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本願に係る指定商品中、「皮革・擬革製品,プルマンケース,オーガナイザー,カメラかばん,写真・ビデオかばん,ラゲージハンガー,ラゲージストラップ,ラゲージタグ」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。そのため、本願は、政令で定める商品及び役務の区分に従って役務を指定したものと認めることもできないから、商標法第6条第1項及び同第2項の要件を具備しない。
(3)本願は、政令で定める商品及び役務の区分第18類に属さない商品「小切手帳カバー,コンピュータ用のケース,コンピュータアクセサリー用のケース,コンピュータ用の保護ケース」を包含しているので、商標法第6条第2項の要件を具備しない。
 
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
 本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたと認められ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似しない商品になった。
 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第6条第1項及び同第2項について
 本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、その内容及び範囲が明確で、かつ、商品及び役務の区分に従ったものと認められる。
 したがって、本願商標は、商標法第6条第1項及び同第2項の要件を具備するものとなった。
(3)むすび
 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第6条第1項及び同第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【審判長】 【特許庁審判官】内山  進
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】齋藤 貴博

(210)【出願番号】商願2005-61953(T2005-61953)
(220)【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】ベースライン
【最終処分】成立
【前審関与審査官】白倉 理

異議2007-900596

【管理番号】第1186227号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標決定公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】異議の決定
【異議申立番号】異議2007-900596(T2007-900596/J7)
【異議申立日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【確定日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【審決分類】
T1652.262-Y  (Y010607080910111220354041)
【異議申立件数】1
(732)【権利者】
【氏名又は名称】株式会社ATグループ
【住所又は居所】愛知県名古屋市昭和区高辻町6番8号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】折田 忠仁
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】阪田 至彦
【異議申立人】
【氏名又は名称】野村 正巳
【住所又は居所】愛知県豊橋市向山東町154―1
【事件の表示】
 登録第5082236号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
【結 論】
 登録第5082236号商標の商標登録を維持する。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第5082236号商標(以下「本件商標」という。)は、「ATグループ」の文字を標準文字により表してなり、平成18年12月20日に登録出願され、第1類ないし第12類、第16類、第19類、第20類、第35類ないし第38類及び第40類ないし第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として同19年10月5日に設定登録されたものである。
  
2 登録異議申立ての理由の要点
 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなる登録第2045358号、登録第2112435号、登録第2136478号、登録第2180018号、登録第2218855号及び登録第3096638号の各商標、別掲(2)のとおりの構成からなる登録第2045359号、登録第2136479号、登録第2146644号、登録第2180019号及び登録第2218856号の各商標、別掲(3)のとおりの構成からなる登録第4373358号及び登録第4390166号の各商標並びに別掲(4)のとおりの構成からなる登録第4102283号、登録第4109484号及び登録第4136300号の各商標(以下、これらの登録商標を一括して、単に「引用商標」という。)を引用した上で、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、両者の指定商品・役務も同一又は類似のものであるから、本件商標は、第1類、第6類ないし第12類、第20類、第35類、第40類及び第41類に属する商品又は役務について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである旨主張している。
  
3 当審の判断
 本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されているばかりでなく、全体から生ずると認められる「エイティーグループ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
 ところで、「グループ」の文字は、例えば、岩波書店発行「広辞苑第5版」によれば「群、集団、共通点をもつ人や物の集まり」を意味する語であり、一群の人や物を表すためにしばしば他の語の前又は後に付して用いられる語としても親しまれているものである。
 これを本件商標についてみれば、全体で「AT」なる名称を用いた一群の人又は物を表すものというべきであって、全体をもって一体不可分のものと認識し把握され、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものとみるのが自然であり、殊更これを「AT」と「グループ」とに分離分断すべきものではなく、「AT」の文字部分のみが自他商品・役務識別のための要部ということもできない。
 してみれば、本件商標は、全体として「エイティーグループ」の称呼のみを生ずるものであり、単なる「エイティー」の称呼は生じないものと判断するのが相当である。
 以上からすれば、本件商標は、その構成中の「AT」の文字部分が自他商品・役務の識別機能を果たす要部であるとし、その上で本件商標と引用商標とが外観、称呼及び観念を共通にする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提を欠くものであって、理由がないことになる。
 他に、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、類似するものとすべき理由を見出すことができない。
 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
 よって、結論のとおり決定する。
【異議決定日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【審判長】 【特許庁審判官】渡邉 健司
【特許庁審判官】鈴木  修
【特許庁審判官】酒井 福造

別掲  引用商標
(1)登録第2045358号、登録第2112435号、登録第2136478号、登録第2180018号、登録第2218855号及び登録第3096638号の各商標



  
  
(2)登録第2045359号、登録第2136479号、登録第2146644号、登録第2180019号及び登録第2218856号の各商標


  
  
(3)登録第4373358号及び登録第4390166号の各商標



  
  
(4)登録第4102283号、登録第4109484号及び登録第4136300号の各商標



  
  
  

(210)【出願番号】商願2006-117548(T2006-117548)
(220)【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
(541)【標準文字】
(111)【登録番号】商標登録第5082236号(T5082236)
(151)【登録日】平成19年10月5日(2007.10.5)
(561)【商標の称呼】エイテイグループ、アットグループ
【最終処分】維持
【前審関与審査官】瀬戸 俊晶

2008年12月19日金曜日

不服2008-9879

【管理番号】第1185951号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-9879(D2008-9879/J1)
【審判請求日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【確定日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【審決分類】
D18  .113-WY (H1-7)
【請求人】
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝4丁目14番1号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】福迫 眞一
【事件の表示】
 意願2007- 23419「発光ダイオード用パッケージ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする平成19年 8月29日の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【審判長】 【特許庁審判官】本田 憲一
【特許庁審判官】山崎 裕造
【特許庁審判官】市村 節子



(21)【出願番号】意願2007-23419(D2007-23419)
(22)【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
(54)【意匠に係る物品】発光ダイオード用パッケージ
(52)【意匠分類】H1-759
(11)【登録番号】意匠登録第1345621号(D1345621)
(15)(24)【登録日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】内藤 弘樹

不服2007-34747

【管理番号】第1185911号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-34747(D2007-34747/J1)
【審判請求日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【確定日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【審決分類】
D18  .113-WY (G2-2)
【請求人】
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
【事件の表示】
 意願2007-  1823「乗用自動車」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、平成19年 1月30日の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に現されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【審判長】 【特許庁審判官】本田 憲一
【特許庁審判官】市村 節子
【特許庁審判官】山崎 裕造

(21)【出願番号】意願2007-1823(D2007-1823)
(22)【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
(54)【意匠に係る物品】乗用自動車
(52)【意匠分類】G2-2100
(11)【登録番号】意匠登録第1343844号(D1343844)
(15)(24)【登録日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】橘 崇生


不服2007-34488

【管理番号】第1185946号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-34488(D2007-34488/J1)
【審判請求日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【確定日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【審決分類】
D18  .4  -WY (L2-4)
【請求人】
【氏名又は名称】三谷セキサン株式会社
【住所又は居所】福井県福井市豊島1丁目3番1号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
【事件の表示】
 意願2006-  9947「側溝用ブロック」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、平成18年意匠登録願第009941号を本意匠とする平成18年 4月17日の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【審判長】 【特許庁審判官】瓜本 忠夫
【特許庁審判官】鍋田 和宣
【特許庁審判官】杉山 太一



(21)【出願番号】意願2006-9947(D2006-9947)
【本意匠番号】2006009941
(22)【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
(54)【意匠に係る物品】側溝用ブロック
(52)【意匠分類】L2-4110
(11)【登録番号】意匠登録第1345210号(D1345210)
(15)(24)【登録日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】樫本 光司


不服2007-28745

【管理番号】第1185914号
【総通号数】第107号
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】意匠審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-28745(D2007-28745/J1)
【審判請求日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【確定日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【審決分類】
D18  .4  -WY (H7-4)
【請求人】
【氏名又は名称】ノキア コーポレイション
【住所又は居所】フィンランド エフイーエンー02150 エスプー ケイララーデンティエ 4
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 みな子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 典子
【事件の表示】
 意願2005- 26403「携帯電話機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願の意匠は、登録すべきものとする。
【理 由】
 本願は、平成17年 9月12日(パリ条約による優先権主張 2005年 3月11日 (US)アメリカ合衆国)の出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。
 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討するとその拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【審判長】 【特許庁審判官】本田 憲一
【特許庁審判官】市村 節子
【特許庁審判官】山崎 裕造



(21)【出願番号】意願2005-26403(D2005-26403)
(22)【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
(31)【優先権主張番号】29/225,187
(32)【優先日】平成17年3月11日(2005.3.11)
(33)【優先権主張国又は機関】米国(US)
(54)【意匠に係る物品】携帯電話機
(52)【意匠分類】H7-43
(11)【登録番号】意匠登録第1345014号(D1345014)
(15)(24)【登録日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【最終処分】成立
【前審関与審査官】松尾 鷹久、内藤 弘樹、前畑 さおり

取消2008-300629

【管理番号】第1186157号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300629(T2008-300629/J2)
【審判請求日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【確定日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Y09)
【請求人】
【氏名又は名称】安部 聡
【住所又は居所】東京都北区赤羽西1―30―1―801
【被請求人】
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【住所又は居所】東京都武蔵野市中町2丁目9番32号
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社ワイ・デイ・シー
【住所又は居所】東京都府中市府中町1丁目9番地
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4858152号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4858152号商標の指定商品中「消防車、消防艇、自動車用シガーライター」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4858152号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【結審通知日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【審決日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【審判長】 【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】酒井 福造

(210)【出願番号】商願2004-77963(T2004-77963)
(220)【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
(541)【標準文字】
(111)【登録番号】商標登録第4858152号(T4858152)
(151)【登録日】平成17年4月15日(2005.4.15)
(561)【商標の称呼】ハイブリッドソリューション、ソリューション
【最終処分】成立
【前審関与審査官】木住野 勝也

取消2008-300607

【管理番号】第1186154号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300607(T2008-300607/J2)
【審判請求日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【確定日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Z09)
【請求人】
【氏名又は名称】レノ シューセントラム ゲーエムベーハー
【住所又は居所】ドイツ国 66987 タライシュヴァイラー-フロッシェン インダストリーゲビート ウエスト
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
【被請求人】
【氏名又は名称】山佐株式会社
【住所又は居所】岡山県新見市高尾362―1
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4622096号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4622096号商標の指定商品中「ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,レギュレーター」については、その登録を取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4622096号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【結審通知日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【審決日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【審判長】 【特許庁審判官】林 二郎
【特許庁審判官】鈴木 修
【特許庁審判官】杉山 和江

(210)【出願番号】商願2001-51987(T2001-51987)
(220)【出願日】平成13年6月8日(2001.6.8)
(111)【登録番号】商標登録第4622096号(T4622096)
(151)【登録日】平成14年11月15日(2002.11.15)
(561)【商標の称呼】レノ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】小松 里美

取消2008-300584

【管理番号】第1186113号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300584(T2008-300584/J2)
【審判請求日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【確定日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Y32)
【請求人】
【氏名又は名称】ヴィリディアン スピリッツ エルエルシー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク 10022 ニューヨーク イースト フィフティセブンス ストリート 115 スイート 1004
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】坂上 正明
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社マンダム
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区十二軒町5番12号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4778920号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4778920号商標の指定商品中、第32類「ビール」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4778920号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【結審通知日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【審決日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【審判長】 【特許庁審判官】中村 謙三
【特許庁審判官】石田 清
【特許庁審判官】小林 由美子

(210)【出願番号】商願2003-95831(T2003-95831)
(220)【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
(111)【登録番号】商標登録第4778920号(T4778920)
(151)【登録日】平成16年6月18日(2004.6.18)
(561)【商標の称呼】ルシード
【最終処分】成立


取消2008-300562

【管理番号】第1186034号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300562(T2008-300562/J2)
【審判請求日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【確定日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【審決分類】
T131 .1  -Z  (Y05)
【請求人】
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,ニューヨーク州,スケネクタディ,リバーロード,1番
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 和子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】井滝 裕敬
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤倉 大作
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】東谷 幸浩
【被請求人】
【氏名又は名称】大洋薬品工業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内2丁目16番29号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4669945号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4669945号商標の商標登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4669945号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び指定役務及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品及び指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。

3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【結審通知日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【審決日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【審判長】 【特許庁審判官】井岡 賢一
【特許庁審判官】佐藤 達夫
【特許庁審判官】小川 きみえ

(210)【出願番号】商願2002-29168(T2002-29168)
(220)【出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
(111)【登録番号】商標登録第4669945号(T4669945)
(151)【登録日】平成15年5月9日(2003.5.9)
(561)【商標の称呼】テイジイイイ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】大渕 敏雄、浦辺 淑絵



取消2008-300562

【管理番号】第1186034号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300562(T2008-300562/J2)
【審判請求日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【確定日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【審決分類】
T131 .1  -Z  (Y05)
【請求人】
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,ニューヨーク州,スケネクタディ,リバーロード,1番
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 和子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】井滝 裕敬
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤倉 大作
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】東谷 幸浩
【被請求人】
【氏名又は名称】大洋薬品工業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区丸の内2丁目16番29号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4669945号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4669945号商標の商標登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4669945号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び指定役務及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品及び指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。

3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【結審通知日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【審決日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【審判長】 【特許庁審判官】井岡 賢一
【特許庁審判官】佐藤 達夫
【特許庁審判官】小川 きみえ

(210)【出願番号】商願2002-29168(T2002-29168)
(220)【出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
(111)【登録番号】商標登録第4669945号(T4669945)
(151)【登録日】平成15年5月9日(2003.5.9)
(561)【商標の称呼】テイジイイイ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】大渕 敏雄、浦辺 淑絵



取消2008-300531

【管理番号】第1186107号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300531(T2008-300531/J2)
【審判請求日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【確定日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Z41)
【請求人】
【氏名又は名称】丸山 浩司
【住所又は居所】大阪府東大阪市御幸町7―12
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社日本マンパワー
【住所又は居所】東京都中野区野方3丁目30番7号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4517555号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4517555号商標の指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授」については、その登録を取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4517555号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定役務及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【結審通知日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【審決日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【審判長】 【特許庁審判官】林 二郎
【特許庁審判官】鈴木 修
【特許庁審判官】小畑 恵一

(210)【出願番号】商願2000-86561(T2000-86561)
(220)【出願日】平成12年8月4日(2000.8.4)
(111)【登録番号】商標登録第4517555号(T4517555)
(151)【登録日】平成13年10月26日(2001.10.26)
(561)【商標の称呼】ネクシス、ネキシス
【最終処分】成立
【前審関与審査官】柴田 昭夫

取消2008-300505

【管理番号】第1186077号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300505(T2008-300505/J2)
【審判請求日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【確定日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Z05)
【請求人】
【氏名又は名称】イボクラー ビバデント アーゲー
【住所又は居所】リヒテンシユタイン国、エフ・エル―9494・シヤーン、ベンデレルシユトラーセ・2
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 莞司
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 宗也
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 邦子
【被請求人】
【氏名又は名称】北興化学工業株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋本石町4丁目4番20号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4552144号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4552144号商標の指定商品中「医療用腕環」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4552144号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【結審通知日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【審決日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【審判長】 【特許庁審判官】芦葉 松美
【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子

(210)【出願番号】商願2001-16546(T2001-16546)
(220)【出願日】平成13年2月27日(2001.2.27)
(111)【登録番号】商標登録第4552144号(T4552144)
(151)【登録日】平成14年3月15日(2002.3.15)
(561)【商標の称呼】ナビゲーター
【最終処分】成立
【前審関与審査官】大橋 信彦 

取消2008-300479

【管理番号】第1186052号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2008-300479(T2008-300479/J2)
【審判請求日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【確定日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (016)
【請求人】
【氏名又は名称】平地 正富
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町3番18号308 全日本同和会東京都連合会内
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清規
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社ニチロ
【住所又は居所】東京都千代田区有楽町1丁目12番1号
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4303746号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4303746号商標の指定商品中、「印刷物」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4303746号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
 
3 被請求人の答弁
 被請求人は、答弁していない。
 
4 当審の判断
 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
 ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、答弁していない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【結審通知日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【審決日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【審判長】 【特許庁審判官】林 二郎
【特許庁審判官】鈴木 修
【特許庁審判官】小畑 恵一

(210)【出願番号】商願平8-59587
(220)【出願日】平成8年6月1日(1996.6.1)
(111)【登録番号】商標登録第4303746号(T4303746)
(151)【登録日】平成11年8月13日(1999.8.13)
(561)【商標の称呼】アケボノ
【最終処分】成立

取消2007-301259

【管理番号】第1186075号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】商標取消の審決
【審判番号】取消2007-301259(T2007-301259/J2)
【審判請求日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【確定日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【審決分類】
T132 .1  -Z  (Y25)
【請求人】
【氏名又は名称】マグレガーゴルフジャパン株式会社
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目13番3号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 幸邦
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
【被請求人】
【氏名又は名称】株式会社ディーシーティーエンタテインメント
【住所又は居所】東京都目黒区青葉台1-11-19
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
【事件の表示】
 上記当事者間の登録第4709020号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 登録第4709020号商標の指定商品中第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」については、その登録は取り消す。
 審判費用は、被請求人の負担とする。
【理 由】
1 本件商標
 本件登録第4709020号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年10月30日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ヘルメット,ナイトキャップ,帽子,ずきん,すげがさ,バンド,ベルト,靴下止め,ズボンつり,ガーター,靴類(「靴あわせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴あわせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」及び第16類並びに第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年9月12日に設定登録されたものである。
 
2 請求人の主張の要点
 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
 請求人の調査によれば、本件商標は、その指定商品中の第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がなく、また、それについての正当事由も存在しない。
 したがって、本件商標の指定商品中、第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁の要旨 
 被請求人は、乙第1号証の写真を提出し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標をリストバンドに使用している旨主張している。
 しかしながら、乙第1号証をみる限り、リストバンドには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は見当たらない。
 したがって、乙第1号証によっては、本件商標が「運動用特殊衣服」に使用された事実は認められない。
 なお、被請求人より、いわゆるアサインバックの用意があるので審判を取り下げるよう連絡を受けた事実があるが、請求人としては、その必要を認めず、交渉を打ち切っている。
 
3 被請求人の主張
 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。
 被請求人は、自ら、本件商標と社会的通念上同一と認められる商標を指定商品「リストバンド」について、本審判請求予告登録日前3年以内の平成16年10月15日から平成19年10月15日の間に日本国内において使用している。具体的商品については、乙第1号証に示すとおりである。
 なお、被請求人は、本件商標について、いわゆるアサイン・バックを希望しており、現在、請求人と交渉を行っている。交渉が成立しなかった場合には、使用の事実を示す書類を提出する予定である。
 よって、本件商標は、少なくとも、第25類の「リストバンド」については取消されるものではないから、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。
 
4 当審の判断
 本件商標は、別掲に示したとおり、アンテナを有する円盤の如き図形を表し、その中に、かなりデザイン化して表された「DCT」の文字を大きく表し、該文字の下に、やゝ湾曲した状態をもって「records」の文字を配した構成からなるものである。
 被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定商品中の「リストバンド」について使用しているとして、乙第1号証(写真)を提出している。
 そこで、被請求人の提出に係る乙第1号証の写真をみるに、該写真に撮影されている「リストバンド」は、取消請求に係る「運動用特殊服(衣服)」の範疇に属する商品であることを認めることができる。
 しかしながら、該「リストバンド」に表示されている商標は、擬人化された太陽と思しき図形とその右横に「DREAMS COME TRUE」と「WONDERLAND 2007」の文字とを二段に表した構成からなる商標である。
そうとすれば、被請求人が使用しているとする商標は、本件商標とは明らかにその構成を異にするものであるから、本件商標についての使用とは認められないものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということもできないものである。
 この点について、被請求人は、本件商標について、いわゆるアサイン・バックを希望しており、現在、請求人と交渉を行っており、交渉が成立しなかった場合には、使用の事実を示す書類を提出する予定である旨述べているが、請求人提出の弁駁書(平成20年3月27日付)によれば、その交渉を既に打ち切った旨述べられている。
 そうとすれば、被請求人から提案されたものと認められる交渉が不調に終わったことについては、遅くも請求人が弁駁書を提出する時点までにおいて、当然、被請求人も承知していたものと推認されるところである。しかるに、被請求人は、「交渉が成立しなかった場合には、使用の事実を示す書類を提出する予定である」旨述べているにもかかわらず、今日に至るも、何ら追加の証拠を提出していない。
 してみれば、被請求人提出の乙第1号証によるも、本件商標は、本件審判請求の登録(平成19年10月16日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、取消請求に係る指定商品「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について使用されていなかったものといわなければならない。
 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る第25類「運動用特殊服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」についての登録を取り消すべきものとする。 
 よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【結審通知日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【審決日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【審判長】 【特許庁審判官】伊藤 三男
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】藤平 良二

別掲 本件商標



 

(210)【出願番号】商願2002-91908(T2002-91908)
(220)【出願日】平成14年10月30日(2002.10.30)
(111)【登録番号】商標登録第4709020号(T4709020)
(151)【登録日】平成15年9月12日(2003.9.12)
(561)【商標の称呼】ドクトレコーズ、デイシイテイレコーズ、ドクト、デイシイテイ、レコーズ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】澁谷 良雄

不服2008-16014

【管理番号】第1186057号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-16014(T2008-16014/J1)
【審判請求日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【確定日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【審決分類】
T18  .262-WY (Y10)
【請求人】
【氏名又は名称】アラーガン インコーポレイテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92612 アーヴィン デュポント ドライヴ 2525
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 和子
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】井滝 裕敬
【事件の表示】
 商願2006-113431拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「LAP-BAND」の文字を標準文字として書してなり、第5類「病的肥満の治療に用いられる腹腔鏡による胃のバンド」を指定商品として、平成18年12月7日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における同年12月13日付け手続補正書により、第10類「病的肥満の治療に用いられる腹腔鏡による胃のバンド」に補正されたものである。
 
2 引用商標
 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5004158号商標は、「RAP」の標準文字よりなり、平成15年10月9日に登録出願、第9類、第10類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年11月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
 同じく、国際登録第837875/A号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、2004年9月1日に国際登録、第9類及び第10類に属する国際登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年6月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
 以下、これらを纏めて「引用商標」という。
 
3 当審の判断
 本願商標は、前記1のとおり、「競走時の1周」等を意味する「LAP」の文字と「平たいひも、洋装に使う革・布などの帯、一組の人々」等を意味する「BAND」の文字とを連綴記号である「-」(ハイフォン記号)をもって標準文字として「LAP-BAND」として書してなるところ、該構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、外観上まとまりよく一体的に構成されているものであって、これより生ずる「ラップバンド」の称呼も、格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
 そして、たとえ、その構成中の「BAND」の文字部分が、指定商品との関係よりして、商品の品質、用途等を看取させる場合があるとしても、かかる構成においては、殊更「BAND」の文字部分を省略して、構成中の「LAP」の文字部分のみをもって取引に当たるとはいい難く、むしろ、構成全体をもって、一体不可分の造語と認識し把握されるとみるのが自然である。
 また、その他構成中の「LAP」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
 そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ラップバンド」の称呼のみを生ずるものというべきである。
 したがって、本願商標が、「ラップ」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【審判長】 【特許庁審判官】内山  進
【特許庁審判官】岩崎 良子
【特許庁審判官】齋藤 貴博

別掲
 国際登録第837875/A号商標



 

(210)【出願番号】商願2006-113431(T2006-113431)
(220)【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
(541)【標準文字】
(561)【商標の称呼】ラップバンド
【最終処分】成立
【前審関与審査官】大橋 良成


不服2008-12773

【管理番号】第1186177号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2008-12773(T2008-12773/J1)
【審判請求日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【確定日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【審決分類】
T18  .262-WY (X09353842)
【請求人】
【氏名又は名称】NECアクセステクニカ株式会社
【住所又は居所】静岡県掛川市下俣800番地
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 明隆
【事件の表示】
 商願2007- 12596拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、「QuadWireless」の欧文字と「クアッドワイヤレス」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第9類、第35類、第38類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年2月15日に登録出願されたものである。
 
2 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、登録第1847887号-1商標及び登録第2375528号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と、『クアッド』の称呼において類似する商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 
3 当審の判断
 本願商標は、前記1のとおり、「QuadWireless」の欧文字と「クアッドワイヤレス」の片仮名文字を上下二段に書してなるところ、構成中の欧文字部分と片仮名文字部分は、それぞれ、同じ書体、同じ間隔で、まとまりよく一体的に表されており、これより生ずると認められる「クアッドワイヤレス」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼できるものである。
 そして、たとえ、構成中の「Wireless」及び「ワイヤレス」の各文字が、その指定商品との関係において、「無線の」等を意味する語として、商品の品質等を表示するものとして使用されることがあるとしても、かかる構成においては、該文字部分を省略し、構成中の「Quad」及び「クアッド」の各文字部分のみをもって取引にあたるとはいい難く、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識、把握されるとみるのが自然である。
 そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「クアッドワイヤレス」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
 したがって、本願商標より「クアッド」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
【審決日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【審判長】 【特許庁審判官】井岡 賢一
【特許庁審判官】小川 きみえ
【特許庁審判官】稲村 秀子

(210)【出願番号】商願2007-12596(T2007-12596)
(220)【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
(561)【商標の称呼】クアッドワイヤレス、クアッド
【最終処分】成立
【前審関与審査官】板谷 玲子

不服2007-31582

【管理番号】第1186119号
【総通号数】第107号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-31582(T2007-31582/J1)
【審判請求日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【確定日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【審決分類】
T18  .261-WY (Y3943)
T18  .262-WY (Y3943)
T18  .263-WY (Y3943)
【請求人】
【氏名又は名称】ジェイティービー沖縄株式会社
【住所又は居所】沖縄県那覇市おもろまち4丁目19番30号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】杭田 恭二
【事件の表示】
 商願2006-101732拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。
【理 由】
1 本願商標
 本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第16類、第39類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年11月1日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、平成19年7月12日付け、同年8月3日付け及び同年11月26日付け手続補正書により、第16類に属する商品はすべて削除され、最終的に、第39類「鉄道による輸送,鉄道車両による輸送に関する情報の提供,車両による輸送,車両による輸送に関する情報の提供,船舶による輸送,定期船や観光船の接岸位置に関する情報の提供,納涼船・釣り舟・モーターボート・ヨットによる輸送に関する情報の提供,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取り次ぎ,旅行に関する相談,旅行業法に規定する旅程管理業務・当該旅程管理業務において行う旅行者に対する送迎サービスの提供,旅行に関する情報(宿泊に関するものを除く。)の提供,鉄道車両の運行時刻表・運賃・座席の予約状況に関する情報の提供,船舶の運行時刻表・運賃・座席の予約状況に関する情報の提供,航空機の運航時刻表・運賃・座席の予約状況に関する情報の提供,貨物輸送の媒介に関する情報の提供,道路情報の提供,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,倉庫の提供,駐車場の提供,駐車場の管理,スーツケース・海外旅行用電圧変換器・旅行者の手荷物運搬用具などの旅行用品の貸与,自動車の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,宿泊施設に関する情報の提供,飲食物の提供,飲食店に関する情報の提供,レストランの予約の取次ぎ」と補正されたものである。
 
2 引用商標
 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3140754号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として平成8年4月30日に設定登録、その後、平成18年4月25日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
 同じく、登録第3165981号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成8年6月28日に設定登録、その後、平成18年7月4日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
 (以下、これらをまとめて「引用商標」という。)
 
3 当審の判断
 本願商標は、別掲(1)のとおり、「Rikka」の文字を橙色でややデザイン化して表してなり、「R」の文字を大きくし、「i」の文字部分の上部には、茶色の椰子の木の実と緑色の葉を配し、「a」の文字部分の中空部には、大小5枚の白色の花びらを配してなるものである。
 しかして、本願商標は、たとえ、「i」及び「a」の文字部分に図形があるとしても、全体としては、「Rikka」の文字をベースにデザイン化されたものとして、まとまりよく一体的に表されているとみるのが自然であり、その構成文字の「Rikka」に相応して「リッカ」の称呼が生じ、また、観念については、本願商標から、請求人主張のように、沖縄の方言で「さあ。では。誘いかけの語。」を意味するものとして、この意味が直ちに想起できるものとはいえず、それ以上に明確な特定の観念が生ずるものとはいえないものである。
 他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「RICCAR」の欧文字と「リッカー」の文字を2段に書してなるところ、その構成文字に相応して、「リッカー」の称呼が生じ、また、該文字部分は、特別の意味を有しない造語であって特定の観念を生じないものである。
 そこで、本願商標と引用商標を比較するに、両者は、長音「ー」の有無に差異を有するものの、外観上、著しく相違するものであり、本願商標の特徴のある形状に接した需要者は、特徴のある椰子の木の形状をした図形付きの「Rikka」として記憶にとどめるものとするのが相当であって、文字構成のみからなる引用商標とは、明らかに区別し得る差異を有するものである。
 また、両者は、特定の意味合いを有しない造語であるから、観念上も比較することができない。
 してみれば、称呼、観念及び外観を総合して全体的に考察した場合、たとえ称呼において近似するとしても、観念においては比較することができないものであり、かつ、外観においては顕著な差異を有することから、両商標を同一又は類似の役務に使用しても、その出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当であり、本願商標は、引用商標に類似する商標とは認められない。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり、審決する。
【審決日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【審判長】 【特許庁審判官】佐藤 達夫
【特許庁審判官】久我 敬史
【特許庁審判官】手塚 義明

別掲(1)本願商標
 



 
別掲(2)引用商標
 


 
 

(210)【出願番号】商願2006-101732(T2006-101732)
(220)【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
(561)【商標の称呼】リッカ
【最終処分】成立
【前審関与審査官】矢代 達雄